中東短信エジプト・トルコ・湾岸』

2017年2月17日

 

:エジプトはエネルギー大国になるとイギリス

つい最近、イギリスが経済ミッションをエジプトに送ったが、そのメンバーのなかには、イギリス4大企業のうちの、2企業も参加していた。これらの企業はエネルギー部門で活動しているが、エジプトを訪問するのは、今回が、初めてのことであった。

イギリスはエジプトの、エネルギー生産国としての可能性を、高く評価しており、ガス生産は現在、日産44億キュービック・フィートだが、2017年末までには15億キュービック・フィート増産される、見通しだということだ。そして、2019年までには日産55億から60億キュービック・フィートキュービック・フィートまで、増産されようという見通しだ。(数字が合わないが原文の通り)

 

:トルコ与党AKPの幹部が新憲法選挙で敗北なら内戦と語る

トルコの与党AKPのマニサ地方幹部は、もし、416日の新憲法国民投票で、与党はこの新憲法に対する賛成票が、50パーセントに満たない場合、それを敗北とみなし、内戦を仕掛けるつもりだ、と語ったとされている。

このことで、オザン・エルダン・マニサAKP副代表は、辞任する羽目になった。彼は発言内容が間違って理解された、と弁明している。しかし、実際は彼が語ったとされている通りであり、エルドアン大統領は新憲法支持投票で、敗北した場合は強硬手段を、採るつもりでいるものと思われる。

オザン・エルダン氏は与党AKP内部の、幹部の間で語られていた秘密の話を、うっかり公の席で語ってしまった、という事ではないのか。

 

:トランプ大統領湾岸諸国のアメリカ離れに不安

イランのロウハーニ大統領が、アラブ湾岸のオマーンとクウエイトを訪問した。その甲斐あって、これまでアラブ湾岸諸国に存在していた、イラノホビア(イラン脅威論)が解消されたようだ。

オマーンは最初の招待国であり、以前からイランとは良好な関係を、維持してきており、これまでイランとアラブ湾岸所の国との、橋渡し役を果たしてきていた。クウエイトもまた最近、イランとの関係を修復しよう、と努力してきていた。

結果的に、ロウハーニ大統領のオマーン・クウエイト訪問は、大成功に終わったが、そのことでアメリカのトランプ大統領は、アラブ湾岸諸国とアメリカとの関係が、疎遠になることを、懸念し始めている。

トランプ大統領はイランを、核問題で追い込みたい、と努力しているさなかだ。従って、イランの脅威を一番感じている、アラブ湾岸諸国がアメリカを支持してくれるか否かが、重要なカギとなっているのだ。なお、ヨーロパ諸国は押しなべて、イランとの関係正常化を、進めようとしている。