『エルゲネコンはエルドアンと同一』

2017年2月 8日

 

 2000年の初めに逮捕され、6年間投獄されていた、トルコの影の政府のボスであるペリンチェク(彼がエルゲネコンの本当のボスか否かは不明)が、MHP党首に対して、とんでもないことを答えている。彼はエルドアン大統領の政策について、自分と同じ考えだと称賛したのだ。

 エルゲネコンとは今までも何度か説明したが、トルコの悪人エリートたちによって、結成された影の政府だ。この中には軍人も警察も政治家も、学者も経済人もマフィアも、参加しているのだ。

 彼らは国家の富を盗む計画を立て、それを実行してきていた。このために、トルコはハイパー・インフレに、苦しめられてきていたのだ。それに挑戦し、解決したのはエルドアンが首相の時代のことなのだが、エルドアン大統領は自身の保身を考えて、エルゲネコンのメンバーを、刑務所から釈放している。

 このぺリンチなる人物は、公然と『私はエルドアンに関するスキャンダラスなテープを、28本持っている。』と語っているのだ。つまり、エルドアン大統領が彼とエルゲネコンの言うことを聞かなければ、それをばらすと脅しているのだ。

 ぺリンチは大の宗教嫌いであり、全ての宗教組織を、潰すことを考えており、エルドアン大統領はいま、まさにその考えを実行している、と称賛しているのだ。ペリンチェクはウルサル・カナル・テレビのインタビューで『エルドアンを選択することは、私を選択することと同じだ。それはAKPがエルゲネコンの主張してきたことを、実行する政党であり、エルドアンはそのトップだからだ。』といった内容のコメントをしている。

 この人物が影の政府のボスであるという事は、マフィアと変わりない、ということだ。エルゲネコンは幾つもの大規模な、組織犯罪を実行し、国庫から資金を盗み出してきているのだ。

 そのエルゲネコンのペリンチェクと、MHP党首のバフチェリが、同意見であるという事は、相当深刻な状況に、トルコの政治が陥っている、という事であろう。確かに、国有地の緑地制限地域を、エルドアン大統領は勝手に解放して、高級住宅などの建設と販売を許可している。そうしたエルドアン大統領の手口は、マフィア的であろう。シリアからIS(ISIL)の盗掘した石油を、密輸したのはエルドアン大統領の、実子のビラールであることは世界的に知られている事実だ。

 ぺリンチの傍若無人な発言も、MHP党首バフチェリの発言も、この世の終わり、トルコのまともな政治の、終わりを感じさせるのだが。