トルコのエルドアン政権は、IS(ISIL)を支援いている、と言われてきているが、実際はどうなのであろうか。トルコがIS(ISILの戦闘員の、自国領土通過を認めていることは、公然の秘密であり、武器を提供していること、サウジアラビアやカタールからの、資金援助の中継国となっていることなどは、世界的に知られている。
加えて、エルドアン大統領の実子ビラールが、IS(ISIL)の盗掘石油を商っていることも知られている。これはロシアが摘発し、タンクローリーを空爆して、一躍世界的に知られるようになった。
今回のことは、これらとは別のトルコとIS(ISIL)が、敵対関係にある話だ。2014年にイラクのモースルにある、トルコ領事館がIS(ISIL)の攻撃を受けることが、警告されていたが、トルコ政府は何の手立ても、しようといなかった。
エルドアン首相(当時)は『ISがそんなことを、トルコに対してすることはあり得ない。』と全面否定していたが、実際には領事館襲撃事件が起こり、49人のスタッフは101日間に渡って、領事館に閉じ込められることになった。
その後、彼らが解放されてトルコに戻ると、ダウトール外相(当時)はこれを、政治ショウに利用している。ダウトール外相は事件が起こる20時間前に『全ての手は打ってあり、外交官の安全に問題はない。』と語ってもいた。
実はこの領事館襲撃と占拠の以前に、トルコ領事館側からは、状況が非常に危険であり、支援が必要だという連絡を、16回も送っていたのだ。しかし、アンカラのトルコ政府かららは、何の返答も無かった、と当時の領事は語っている。
領事は当時のことを振り返り『もし私が殺されていたら、私のミスだったと政府は、私を非難していただろう。』と語っている。
もう一つのスキャンダラスなニュースは、イスタンブール市のスルタンベイ地区に、IS(ISIL)の子供たちの学校が、設立されているということだ。学校は無償で教育を施しており、子供たちには、証書なども与えられている、ということのようだ。
その学校では、トルコの一般的な課目も教えられている、法の問題、軍事面では徴兵義務、そしてケマル・アタチュルクについても、教育されている。つまり、コのIS(ISIL)の学校を出た後、この子らが何時の間にか、トルコ国民になっていることも、十分ありうるということではないのか。
オスマン帝国の時代には、周辺諸国から子供たちが集められ、教育され、立派な軍人に育て上げられていたが、ネオオスマン帝国のスルタンを自称する、エルドアン大統領は同じことを、IS(ISIL)の子供たちに、期待しているのであろうか。