イラクのIS(ISIL)がヨルダンイラク国境のイラク側で、国境警備隊を攻撃した。この攻撃は金曜日に起こり、イラク側のトレビルが特攻作戦の、実施された場所だった。イラク軍の警備隊員のうち、2人が犠牲になった。
IS(ISIL)がイラクのヨルダン国境でぐん時作戦を行ったのは、イラク国内でIS(ISIL)の立場が、窮地に追い込まれているからであろう。IS(ISIL)がヨルダンとの国境で、作戦を実施したということは、IS(ISIL)戦闘員がイラク脱出のルートを、確保するためなのかも知れない
同日の金曜日には、イラク軍機がシリア領の国境の、シリア側の街アブー・カメルを、空爆している。
今回のイラク軍機による、シリアへの越境空爆は、アメリカ軍の知り置かぬところで、実施されたのではないか、と考えられているが、イラク政府は4ウエイ作戦に、反しないと考えているようだ。つまり、イラク・イラン、シリア・ロシアによる共同作戦のことだ。
しかし、今回の空爆作戦が、アメリカを無視した形で、ロシアやイランとの共同だけで、進められたものであるとすれば、今後問題になりかねない。ロシアはアメリカの存在を無視してでも、IS(ISIL)作戦を実行して行くつもりのようだが、それはアメリカとロシアとの距離を、離すことになろう。
実は今回のイラクの、シリア越境空爆と時を同じくして、トルコもアメリカ無視の軍事作戦を進めているのだ。トルコはロシア・フランス・ドイツとの協力で、シリアのラッカを、攻撃するつもりでいる。
こうしたイラクやトルコのアメリカ離れ、アメリカ無視の動きに、アメリカはどう対応してくるのであろうか。アメリカはいまトランプ政権が誕生したが、国内でトランプに反対する勢力が、活発に動いており、トランプ大統領は中東まで、気が回らないのかもしれない。
あるいはトランプ大統領は、中東問題をロシアと地域各国に、任せるという考えに沿って、動いているのであろうか。今回のアメリカ無視の、イラク・トルコの動きは、今後のIS(ISIL)の未来と、トランプ政権の、対中東政策を知る上で、貴重なポイントかもしれない。