『トランプ発言にイラク首相反発

2017年1月25日

 アメリカの新大統領トランプ氏が、イラクについて発言したが、その内容が不明確であることが原因で、イラクのアバデイ首相がトランプ大統領の発言に対して、噛み付いている。

 ネット上に載っていた記事の中に、各国の通訳は、トランプ大統領の発言が意味不明で、話題が移り過ぎ、発言に矛盾があることなどから、通訳するのが大変だ、といった発言が掲載されていたが、それが原因しているのかもしれない。

 トランプ大統領が語ったのは『もし、アメリカが2003年のイラク戦争で勝利した段階で、イラクの油田を抑えていれば、IS(ISIL)が台頭し、そこを抑え、彼らの資金源にすることは、出来なかったろう。』と語っているのだ。

 まさにその通りであろう。このことについてトランプ大統領は、何もイラクの石油をアメリカが支配し続ける、と言っているわけではないので、アバデイ首相は噛み付く必要がないのだが、どうも発言の仕方に問題があったようだ。

 このトランプ大統領の発言に対して、アバデイ首相は『イラクの石油はイラク国民のものだ。』と反発の意を鮮明にしている。

 トランプ大統領はこの発言とは別に、『イラクに対する支援を増やす。』と語ったようだが、アバデイ首相は、このことについても『具体的にどのような支援があるのか、定かではない。』と不満を述べている。

 また、トランプ大統領は『中東における第一課題は、IS(ISIL)対応だ』と語っており、そのための支援が、イラクに対して進められることに、なるのではないのか。

 どうやら、落ち着いて聞けば、トランプ大統領の発言は、至極当たり前のことなのだが、欧米マスコミの彼に対する、敵対的報道や、彼自身の奇異な言動が、トランプ発言を複雑なものにし、受け取る側に混乱を、引き起こしているのではないか、と思われる。

 こうした社会状況と、彼を取り巻く環境のなかで、日本が一番冷静にトランプ発言を、受け入れられるのではないのか。そして、そのうえで彼の発言に間違いがあれば、丁寧にそれを指摘し、反論すべきであろう。

 先日の菅官房長官の、トランプ大統領に対する『アメリカ車に対する課税へのクレーム。』への反論は、お見事という感じがした。懇切丁寧に説明すれば、トランプ大統領も、間違った考えを、ごり押しすることは出来まい。

 どうやら、トランプ大統領は近い将来、日本を最も信頼できる相手国、とみなすようになりそうな気がするのだが、この予測は甘いだろうか。