『サウジアラビア・ヨルダンのテロ事件』

2017年1月22日

 

:サウジアラビアのジェッダで銃撃・自爆

 サウジアラビアの紅海に面した街ジェッダ市で、テロリストが潜伏する家屋を、治安警察が包囲し、銃撃戦が起こった。結果的には、2人のテロリストが自爆した。この事件に関する、サウジアラビア内務省のコメントは、未だ発出されていない、

 

:ヨルダン・シリア国境でテロ多数が死傷

 ヨルダンとシリアの国境地域に設置されている、ルクバーン難民キャンプで、車爆弾が爆発し、数十人の死傷者が出た。同様の爆弾テロが昨年6月にも、メイク・シフト基地で起こり、6人の軍人が犠牲になっている。以来、ヨルダン・シリア国境地帯は、軍事地域に指定されている。

 ヨルダンばかりではなく、シリアの国境の街ダラでも、ロケット攻撃が起こっている。こうした国境地域でのテロ事件の増加は、昨年9月にアレッポのISが、シリア軍に敗北したことが、原因ではないかと見られている。

 

 イラクとシリアでの、IS(ISIL)の敗北が重なり、多くのIS(ISIL)戦闘員が、周辺諸国に逃れようとして、テロ事件が増えているものと思われる。ヨルダンの難民キャンプで、テロ事件が起きたということは、ヨルダン国内に多数のIS(ISIL)戦闘員が、既に逃亡してきている、ということではないのか。

 ヨルダンにはパレスチナ難民の数が多く、それらの多数は、ムスリム同胞団のメンバーであり、過激なイスラム思想を、受け入れている人達だ。従って、IS(ISIL)がヨルダン国内で、活動を展開していけば、ヨルダンのパレスチナ人たちが、IS(ISIL)の戦列に加わる可能性は、否定出来ないということになろう。

 ヨルダンはこれから、危険の度を増していく、ということであろう。そうなれば、ヨルダンの観光は相当なダメージを受け、ヨルダン経済は悪化していくことになろう。その後は国内不安が起こるということではないのか。ヨルダンの王家にとっては、まさに緊急事態が始まった、ということであろう。