『リビア・ハフタル将軍善戦ベンガジ支配へ』

2017年1月20日

 

 リビアの東政府の実力者である、ハフタル将軍の部隊が、リビアの東の首都ベンガジ市を、ほぼ支配したようだ。そうは言っても、戦闘はいまだ続いており、戦闘は相当激しいものであり、ハフタル将軍側にも、15人以上の戦死者が、出ている模様だ。

 ベンガジ市はカダフィ大佐の革命で打倒された、イドリス国王の時代には、東の首都とされていた場所であり、地中海に面したきれいな街だった。もちろん現状はがれきの山と、なっているだろう。このベンガジ市のカフンダ地区が、激戦のポイントのようだ。ハフタル軍側は航空機を使い、激しい爆弾投下作戦を行った。

 結果的に、カフンダ地区はイスラミスト(アルカーイダと関連のある組織)の手から、ほぼ解放されたのだが、内部に市民3家族が、残っていることから、彼らの同地からの安全な、脱出を実現させるべく、停戦状態にある。

 今まで、ハフタル将軍の部隊に、あまり動きが無かったのだが、ここに来て、急きょ激しくなったという事は、ハフタル将軍の訪ロが、成功したからであろう。国連の制裁があり、ロシアは思うようにハフタル将軍側に、武器を送れないだろう。しかし、ロシアの艦艇がリビア東部に入ったことだけで、大きな励ましとなろう。

 ロシアはどういう判断から、東のハフタル将軍を支援するのであろうか。トリポリを首都とする、セラジ首相率いる国連の作った、統一リビア政府ではなく。

 それはセラジ首相には、具体的な武力集団が彼のバックには、存在しないことに、あるのかも入しれない。また、ハフタル将軍側は東部、南部の主要部族をまとめ、味方につけ、油田地帯のほぼ全域を、掌握しているからかもしれない。

 ハフタル将軍はこのことに加え、石油の積出港も支配下に置いているのだ。そうなれば西側のセラジ政府との交渉で、力で有利な合意を取り付けることができよう。そうなるとハフタル将軍は、リビアの石油収入を牛耳れる、ということになるのだ。それがロシアにはわかっているのであろう。