『トルコの世論調査結果』

2017年1月19日

  トルコの国民が現状をどう考えているのか、という世論調査が、広範なテーマに渡って行われた。この世論調査と同時に、カデル・ハス大学なども、世論調査を行っている。

 トルコではこれまで、最も信頼できる組織として、軍が挙げられていた。トルコが危機的状況に陥ったとき、軍は正しい行動をとり、軌道を修正してくれる組織、と信じられてきていたのだ。

 しかし、今回の世論調査の結果によれば、軍は国民の信頼を失っているようだ。軍を信頼できる組織と答えたのは、昨年では624パーセントであったが、今年の結果では474パーセントに落ちている。

 これとは対照的に、大統領制に対する支持は昨年469パーセントだったものが、今年は494パーセントに増えている。つまり、軍よりエルドアン大統領を、信頼するという結果だ。

 軍だけではなく、各種組織も同様に、国民の信頼を落としている。軍事大学もその一つであり、信頼は昨年498パーセントだったものが、今年は247パーセントに下がっている。

 NGO各組織も、昨年は423パーセントだったものが、262パーセントに下がっている。しかも、NGOに参加している、と答えた国民の割合は、15パーセントにとどまっている。

 政党に対する信頼も、同様に下がり、339パーセントから218パーセントに下がっている。しかし、議会に対する信頼度は3パーセント増加し、昨年43パーセントだったものが、今年は49パーセントに伸びている。(3%は無効票か)

 マスコミに対する信頼度は、昨年278パーセントだったものが151パーセントに下がっている。

 エルドアン大統領に対する評価では、昨年436パーセントだったものが、48パーセントに伸びている。大統領制に対してはどうであろうか。大統領制を支持すると答えた者は、2014126パーセントだったものが、2015年には221パーセントに、そして最新の報告では325パーセントに増えている。

 エルドアン大統領が進めている新憲法については、347パーセントが賛成、反対が397パーセント、196パーセントは未定と答えている。

 これらの結果は、エルドアン大統領に対する支持が増えている見るべきか、国民はそれ以外の人物や組織に、失望した結果とみるべきか、微妙なところだ。憲法改正については『トルコが独裁体制になる』という不安があるのであろう。