トルコではこれまで、最も信頼できる組織として、軍が挙げられていた。トルコが危機的状況に陥ったとき、軍は正しい行動をとり、軌道を修正してくれる組織、と信じられてきていたのだ。
しかし、今回の世論調査の結果によれば、軍は国民の信頼を失っているようだ。軍を信頼できる組織と答えたのは、昨年では62・4パーセントであったが、今年の結果では47・4パーセントに落ちている。
これとは対照的に、大統領制に対する支持は昨年46・9パーセントだったものが、今年は49・4パーセントに増えている。つまり、軍よりエルドアン大統領を、信頼するという結果だ。
軍だけではなく、各種組織も同様に、国民の信頼を落としている。軍事大学もその一つであり、信頼は昨年49・8パーセントだったものが、今年は24・7パーセントに下がっている。
NGO各組織も、昨年は42・3パーセントだったものが、26・2パーセントに下がっている。しかも、NGOに参加している、と答えた国民の割合は、1・5パーセントにとどまっている。
政党に対する信頼も、同様に下がり、33・9パーセントから21・8パーセントに下がっている。しかし、議会に対する信頼度は3パーセント増加し、昨年43パーセントだったものが、今年は49パーセントに伸びている。(3%は無効票か)
マスコミに対する信頼度は、昨年27・8パーセントだったものが15・1パーセントに下がっている。
エルドアン大統領に対する評価では、昨年43・6パーセントだったものが、48パーセントに伸びている。大統領制に対してはどうであろうか。大統領制を支持すると答えた者は、2014年12・6パーセントだったものが、2015年には22・1パーセントに、そして最新の報告では32・5パーセントに増えている。
エルドアン大統領が進めている新憲法については、34・7パーセントが賛成、反対が39・7パーセント、19・6パーセントは未定と答えている。
これらの結果は、エルドアン大統領に対する支持が増えている見るべきか、国民はそれ以外の人物や組織に、失望した結果とみるべきか、微妙なところだ。憲法改正については『トルコが独裁体制になる』という不安があるのであろう。