アフリカのチャド政府が、リビアとの国境を、閉鎖することを決定した。これは、私が大分前に予測していたことが、現実の問題になってきていることを、顕しているのかもしれない。
チャドはリビアと国境を接しており、ウラン鉱脈が有ることで知られている。1980年代だったと思うが、リビアのカダフィ政権時代、リビアはチャド侵攻を行ったことがある。
当時、それはカダフィ大佐がチャドのウラン鉱脈を、押さえることを目的としたものだと、言われていたが、リビア軍はチャド軍に破れ、ハフタル司令官らは、捕虜となった。
その後、ハフタル司令官はリビアのカダフィ体制に、愛想がつきCIAの誘いに乗り訪米し、20年以上匿われていた。だが、一応体裁を考えたのであろう、反カダフィの革命組織を、立ち上げていた。しかし、この革命組織は具体的な動きを、全くやらなかった。名ばかりの革命組織だった、ということだ。
リビアには良質の石油が有り、それは欧米が支配したい、と考えていたことから、IS(ISIL)を送り込むだろう、と考えていたが、その通りになった。しかし、その後、欧米はそれを口実に、リビアに軍事介入するだろう、と思っていたが、その通りになった。
そして、その後IS(ISIL)はリビアで敗退し、アフリカ中央部に向かって行くだろうというのが、私の予測だったが、今回のチャドの国境閉鎖は、その証ではないのか。そうだとすれば、欧米がいま何を狙っているのか、予想が出来そうだ。
チャドにはウラン鉱があり、マリには金鉱脈がある、そればかりかアフリカの各国には地下資源がうなるほどあるのだ。ダイヤを始めとした貴石、鉱物資源が有るということは、それを支配したいと考えるのは自然の成り行きであろう。
アフリカでは広大な土地を利用し、大規模な農業開発も、可能となろう。また低賃金で、各種のアッセンブリー工場を、運営することも可能であろう。
欧米諸国はIS(ISIL)をアフリカ諸国に進出させ、その国に対して、IS(ISIL)対策で協力することを口実に、武器を売り込み、軍事顧問を派遣する。そして、最終的にはその国を支配下に、置くということであろう。
そうした考えがいまアフリカで、始まったということだ。こうした欧米の手口は、リビアを見れば分かろう。最初にアラブの春革命を起こさせ、ハフタルというアメリカの傀儡を送り込み、彼の所属する政府を、国際的に認知された政府だと認めた後、今度は国連が認知した、統一リビア政府を立ち上げる。
そして、その統一リビア政府にIS(ISIL)戦で勝利させ、統治させていくという形だ。その統一政府の勝利は、述べるまでも無く、欧米の軍事介入によって、可能だったのだ。
アラブ諸国の混乱は、今後下火にはなるだろうが、未だ当分の間は続くだろう。これからはアフリカが流血の惨事の場になるということではないのか。金に際限は無い、人のよくは留まるところを知らない。しかし、それで救われるのであろうか。