トルコのイスタンブール市で、1月1日の新年に起こったレイナ・ナイトクラブ襲撃事件は、多数の死傷者を出し、世界に衝撃を与えた。しかも、この襲撃犯がIS(ISIL)のメンバーであったことが、ショックを二重にしたようだ。
その後、襲撃犯とされるコードネーム、アブ―・ムハンマド・ホラサーニ(本名アブドルガデール・マシャリポフ)は逮捕されたが、その後、幾つもの事件に関わる、事実が発覚している。
まず、アブー・ムハンマド・ホラサーニの住居には、15万ドルの現金があったということだ。このことを根拠に、トルコ警察は犯人の犯行動機は、イデオロギーが根拠ではなく、金目当てに犯行に及んだものだ、という結論を出している。
彼の仲間20人がイズミールで逮捕されており、レイナ・ナイトクラブ襲撃のイスタンブールの、IS(ISIL)のボスである人物も、逮捕されている。
イズミールで逮捕されたIS(ISIL)のメンバーの一人は、シリア出身だと語っているが、彼のアラビア語はモロッコ訛りであり、嘘の証言をしているとみている。
今回の事件に絡んで15万ドルもの大金が、出てきたという事は、相当裏が複雑になっていることを意味しており、トルコのヌーマン副首相は、『インテリジェンス組織の、関与も考えられる。』と語っている。
トルコ政府は現段階で、アブ―・ムハンマド・ホラサーニに関する情報集めで、ウズベキスタン、キルギスタン、カザフスタン、ダゲスタン、モロッコ、新疆、欧州諸国などと、コンタクトを取っている、ということだ。これだけ多くの国に問い合わせしているということは、まだ真犯人が捕まっていない、という感じもするのだが?
しかし、どうしても不思議に思えるのは、トルコに居住するIS(ISIL)のメンバーについては、トルコはIS(ISIL)メンバーに関する、しかるべき十分な情報を、持っていたはずだし、彼らは常時、監視の対象になっていたはずだ。それがいとも簡単に、犯行に及べたのには、全く違う裏があった、と考えるべきではないのか。