『トルコ政府トルコ兵の焼殺に沈黙』

2016年12月26日

野党MHPの党首バフチェリ氏が、シリアで焼殺された2人のトルコ兵に関して、怒りを爆発させた。『もしこれが事実なら、全てのIS(ISIL)戦闘員を焼き殺せ。』と言ったのだ。

それは全てのトルコ人の、正直な感情であろう。トルコ兵が家畜のように、首に縄をかけられ、焼殺されるという映像は、見るに耐えまい。未だにこのことが、トルコ国内で大抗議デモに、発展していないのが不思議だ。

その理由は、政府がトルコ兵焼殺について、明確なコメントをしていないからであろう。政府が未だこのことに関する、コメントを出していないことに、野党各党は早急な対応を、求めている。

もちろん、政府はこの事件について、報道することを、規制しているのであろう。主要紙にはこの事件に関する記事が、掲載されていないし、テレビでも同様に、報道されていないのであろう。これではトルコ国民が、沈黙していても不思議は無い。

フィクリ・イシク国防大臣は『トルコ兵の焼殺は、未だ確認が出来ていない。我々が知り得ているのは、3人のトルコ兵がIS(ISIL)に、捕まっている、という事実だけだ。』と語っている。

 バフチェリ党首はシリア・イラクでの、戦闘勝利が必要だと強調し、それは、もし貫徹されることが無ければ、トルコ南東部の地域が、危険にさらされるからだ、と言っている。シリアのアルバーブでの勝利無しには、トルコ南東部の街デヤルバクル市や、首都のアンカラ市でさえも、危険にさらされている、という判断だ。

 トルコの友人にこの事件のことを伝えたとき、彼はまずそのことを否定し、確認すると語り、次いで外国の報道には出ているが、殺害されたか否かは、確認できない、と語っていた。

 トルコ国民のほとんどは、あまりにもむごい殺害方法であることから、簡単には認めたくない、ということであろうか。日本でも同じような反応が起こっている。湯川氏や後藤氏が殺害された後、『実はあれはやらせであり、彼らは殺されていない。』という解説がネット上で踊っていた。

 しかし、現実は厳しいものではないのか。