『トルコ嘘も100遍いうと本当になるか』

2016年12月22日

在トルコ・ロシア大使が、暗殺されるという、衝撃的な事件が起こった。そのことは、あるいは第一次世界大戦の発端と、似たような状況ではないか、とみる人も少なくない。 

 第一次大戦が起こったきっかけは、オーストリアの皇太子が、セルビアの一青年の放った銃弾で、暗殺されたことだった。今回トルコの首都アンカラ市で起こったテロ事件は、それに似ているというのだ。

 ロシア大使暗殺事件の後、ロシアとアメリカは関係が凍結され、今では、プーチン大統領とオバマ大統領のホット・ラインは、アイス・ラインに変わっているのだ。このような状態が長期化すれば、双方に生まれる誤解が、どんな危険な状況を生み出すか、想像出来ないのだ。

 トルコのエルドアン大統領は、今回の暗殺事件も、自分に有利になるように、工作し始めている。つまり、『これは外国の手による犯罪だ。』と語り、後に『ギュレン派が背後にいる。』と言い出したのだ。

 こうしたエルドアン大統領の、事件説明に対して、ロシアのプーチン大統領は、無言の返答をしているのではないか。そのことを盾に取り、エルドアン大統領はロシアがトルコの主張を、受け入れたと勝手に、宣伝している。

 一部では、この暗殺はヌスラの犯行だ、という情報も流れているのだが、どうも胡散臭い感じがする。この事件で利益を得るのは誰かと言えば、第一に考えられるのは、アメリカではないのか。

 トルコ政府はこのところ、ロシアに異常接近しており、トルコがNATOのメンバー国、とは考えにくい状態が、生まれてきているのだ。トルコとロシアそしてイランが、シリア問題を話し合い、共通の路線で進めるべく、合意している。

 トルコでは大型のテロが頻発しているが、南東部のクルド・エリアには、多数のIS(ISIL)メンバーや、イランの民兵が入り込んでいる、と伝えられている。それを取り締まりたい、と地方政府は考えているのだが、中央政府から阻止されて、動きが取れないという、苦言が出ている。

 エルドアン大統領は国内に流入してくる、テロリストを放置することで、社会不安をあおり、結果的に彼の強引な統治が、国民によって受け入れられる状況を、作っているという事であろう。

 エルドアン大統領の発する嘘は、いまのところ、アメリカからもロシアからも、明確な拒否は、出ていない。それは、まだエルドアン大統領には利用価値がある、と思われているからであろう。

 他方、アメリカからは大物政治家が『エルドアン体制はテロリスト(IS)にコントロールされている。』という意見が聞こえてきた。エルドアン大統領の嘘にアメリカやロシアが付き合うのも、時間の問題という事に、なるのでは無いのか。