トルコに関する悪いニュースが、このところ毎日ネット上に、掲載されている。今日伝わってきたニュースは、イスタンブールの爆弾テロ容疑者の女性が、警察署で裸にされ、殴られ、蹴られて、弁護士が会いに行ったときは、歩けないほど酷い状態に、なっていたということだ。
この女性が語ったところによれば、彼女以外にも留置所内では、拷問を受けている人がおり、その悲鳴が聞こえてきたという事だ。そればかりか、拷問の結果、負傷した容疑者たちが、病院に担ぎ込まれると、そこでも警官による拷問が始まり、医者がかろうじて止めることが、出来たということだ。
警察側にしてみれば、仲間の警官が40人近く、テロで犠牲になっていることから、感情的には抑えられない部分が、あるのかもしれないが、少し酷過ぎる状態だと思えるのだが、トルコの国民はこのニュースを耳にして、どう思うのであろうか。
こうしたトルコ政府による、反政府派への拷問などが、EUの間では問題になり、トルコのEU加盟を検討する会議は、凍結されたということだ。ヨーロッパ諸国もアメリカも、トルコとは同じ価値を共有する事が、出来るとは思えない、という判断が広がっているようだ。
当然のことながら、ヨーロッパ諸国ではエルドアン体制に対する、非難が強まっている。アメリカのシンクタンクも、トルコに関する報告書をまとめたが、その中で、アメリカもヨーロッパも、トルコの統治スタイルにはついていけない、という結論を出しているようだ。
トルコのエルドアン大統領が進める、強引な国内統治は、テロに対する締め付けばかりか、経済面でも発揮されている。しかし、トルコの経済は悪化することはあっても、改善の兆しは何処にも見えていない。730億ドルの対外債務は、増えることはあっても、減ることは期待できないようだ。
トルコ・リラは今年1年間で、18パーセントもドルに対して、値を下げている。ユルドルム首相が経済対応策を発表した後、それまで対ドルで3・41トルコ・リラだったものが3・46トルコ・リラに下げている。
政府は公務員の外国出張回数を減らし、政府の購入する公用車の数を、減らすなどしているが、その程度では赤字を、カバーすることは出来まい。