トルコ兵2人が3週間前に、IS(ISIL)によって拿捕され、焼殺されるという事件が、起こっている。この焼殺のシーンは、IS(ISIL)のSNSアカウントで、木曜日に公開され、それをトルコのポータル・トルコ・ミニッツが報じている。
当然のことながら、トルコ国内ではこの惨劇に、同情と怒りが拡大している。IS(ISIL)の処刑の前に、IS(ISIL)とトルコ兵は、トルコのエルドアン体制が悪い、と非難している。
今回の場合、何処までIS(ISIL)が、処刑シーンを流したか分からないが、前回のヨルダン人パイロットの場合は、最初から最後までのシーンが、流されていた。日本テレビの友人から、このシーン全体のCDを受け取り見たが、悲惨のレベルを通り越す、無残なものであった。
多分、今回も全体のシーンが、流されていると思うが、それを見たトルコ人は、どう反応するのであろうか。処刑されたトルコ兵の顔は、極めて鮮明に映っているので、家族や親戚、友人たちは、直ぐに誰であるかを、確認できよう。
家族や親戚、友人たちも、焼殺になった兵士たちと同じような、思いでいることであろう。トルコ人は事の外、家族を大事にすることから、その悲しみと痛みが、想像できる。
ヨルダンのパイロットの場合は、有力部族の出身であったことから、対応次第では、ヨルダン王家が危険になると判断し、最大の釈放努力が行われたのだが、問題解決には至らず、処刑が断行されている。
現在もなお、処刑された2人とは別に、トルコ兵3人がIS(ISIL)の手中にあると言われており、今後も同様の処刑が行われる、危険性もあろう。当然のことながら、トルコ国内ではこのニュースは報じられず、報じられたとしても、極めて限定的な範囲ではないのか。
しかし、今の時代はテレビや新聞の報道を、信じない人達が増えており、このニュースはトルコ人の間では、もっぱらツイッターなどで、流され広まっているものと思われる。その結果、トルコでは市民が暴発するのか、あるいは何の大掛かりな、抗議行動も起こらないのか、気になるところだ。
他方、エルドアン大統領はこのことに対する、コメントは無く、『シリア北部にクルド国家が出来ることは許さない。』『シリアに飛行禁止空域を設けるべきで、アメリカと協議している。』といった発言をしている。
国内経済の悪化、インフレ問題、失業問題などが、トルコでは山積している。今回のトルコ兵焼殺事件は、その火に油を注いだ感があるのだが、今後の展開を待ちたい。