12月18日の日曜日に、ヨルダンで城に立てこもるテロリストが、観光客や警察9人を殺害するという、事件が起こっている。このテロ事件はまだ、解決されていない。警察が城を包囲して、人質になっている人たちを、解放する努力をしているが、簡単ではないかもしれない。
この城はヨルダンで最も人気の高い、観光スポットになっており、犠牲になった観光客は、そこに見物に行っていた、ということだ。死亡したのは、カナダからの女性の観光客と、民間人3人、そして警察5人だった。
このクルセーダー・エラ・キャスルはカラク市のそばにあり、今までに10人が解放された、と伝えられている。現在は治安部隊がこの城を包囲し、睨み合いの状態が続いている、という事であろう。これまでに、治安部隊のメンバーに、多数の犠牲者が出ている模様だ。
このテロリストたちは、砂漠の街カトラーネから、来た模様だが、このカトラーネ市は、カラク市の30キロ北に位置している。この街は密輸の拠点となっていることで知られており、多数の部族員が重装備で、住んでいると言われている。
ヨルダンはアメリカ側に立ち。シリア内戦に関与する、数少ない国の一つであり、ヨルダン国民の間には、そのことに反発する者が少なくない。今回のようなテロ事件で、ますますイスラム主義的な、反政府の立場をとる者が、増える懸念があろう。
今回のテロ事件では、IS(ISIL)が犯行を行った、とか、犯行の裏にいる、とか、テロリストがIS(ISIL)を支持する、宣言をした、という情報は伝わっていない。しかし、もしこの犯行が、純然たるヨルダン内部からの、国民の一部によるものであるとするならば、事態は重大な懸念を持たざるを得ない、という事ではないのか。
ヨルダンはサウジアラビアなど、アラブ湾岸諸国と比べ、IS(ISIL)によるテロ活動が、あまり目立っていなかった。例外はシリアとヨルダンの国境での、シリア難民に対するIS(ISIL)による、攻撃があったと記憶するのだけなのだが。
今回のクルセーダー・エラ・キャスルのテロ事件が、あくまでもヨルダン国民によるものであることを、祈るばかりだ。それであるとしても、ヨルダン政府にとっては頭の痛い問題であろう。つい最近も、ヨルダン大学の学生たちによる、政府非難のデモが、行われているのだ。