イエメンの政府系マシーラ通信社が、伝えたところによれば、トルコの旅客機が多数のIS(ISIL)戦闘員を乗せて、イエメンのアデン国際空港に、到着したということだ。述べるまでも無く、IS(ISIL)はイエメン戦争に参戦する目的で、シリアからイエメンに、移送されているのだ。
このIS(ISIL)戦闘員は、シリアのアレッポでの戦闘で、12月22日にシリア軍に敗北し、トルコ経由でイエメンに到着したものだ。そして、アデン空港は現在、アラブ首長国連邦の軍人が、コントロールしている。そのためにイエメン政府側は手が出せない状態にあるということのようだ。
アラブ首長国連邦はサウジアラビアと共に、サウジアラビアの支援するハーデイ元大統領を、支援しているのだ。つまり、このサウジアラビアのイエメン戦争への介入には、アラブ首長国連邦とトルコが、深く関わっているということだ。
トルコ機はIS(ISIL)の戦闘員を、シリアからイエメンに運ぶだけではなく、イエメン戦争で負傷した、サウジアラビアが支援する戦闘員を、トルコに移送してもいる。述べるまでも無く、彼らはトルコの病院で、治療を受けるということだ。
これだけではなく、トルコ政府はサウジアラビアの、イエメン戦争を支援している、と伝えられている。シリアから脱出したIS(ISIL)の戦闘員を、イエメンの戦線に送るということは、今後のトルコの国内治安を考えた場合、賢い作戦かもしれない。
もし、シリアやイラクから逃げ出したIS(ISIL)の戦闘員を、トルコ国内に多数留めることになれば、やがては彼らとトルコ軍が、衝突する可能性が、拡大するからだ。
また、戦争ビジネスに加担することは、トルコとサウジアラビアとの関係を強化し、トルコはサウジアラビアから、経済的な支援を受けられるために、こうしたことが行われているのであろう。戦争に加担することで、自国の経済状態を維持するという手口は、なにやらアメリカのそれに、似ているような気がするのだが、付けは結果的にトルコ国民が払うことになろう。