リビア東部政府の軍のトップ、ハフタル将軍がロシアを訪問した。そのことには、大きな意味がありそうだ。それは、ハフタル将軍がロシアに対して、武器の提供を要請したのと交換に、リビア東部政府が支配している地域に、ロシア軍の基地を開設することを、提案したからだ。
リビアは持てる石油資源や、アフリカ難問のヨーロッパへの、移動拠点として重要な意味を持っている。石油については、単なる石油ではなく、ロー・サルファ、ロー・パラフィンの良質なものであることから、カーボン繊維の生産には、うってつけだと言われている。
リビアがアフリカ難民のヨーロッパへの、移動拠点であるということは、リビアがこれを取り締まれば、ヨーロッパはアフリカ難民の問題を、軽減することが出来るという事であり、トルコと同じような意味合いを、持っているのだ。
従って、アメリカを始めフランスやイギリスは、リビア問題に介入し、何とか自由にコントロール出来る状態を、創り出そうとしている。ISをリビアに送り込んだのは、アメリカとイギリスの策謀であろうし、その後のアメリカやフランス、イギリス軍による、シルテへの空爆も、その流れであろう。
チュニジアで結成された、統一リビア政府なるものと、その代表であるセラジ首相も、あくまでも国連という名を冠した、欧米の傀儡であろう。リビア国民の誰も、この人物を信用していないし、トリポリに拠点を置きはしたが、実験は握っていないようだ。彼の名が欧米のマスコミに出てくるのは、小さな存在を大きく見せよう、という策謀であろう。
そうした状況にあるリビアに、今回のハフタル将軍の訪ロで、ロシアが本格的に進出することになれば、アメリカ、イギリス、フランスの計算は完全に失敗に、終わる可能性がある。
ハフタル将軍の訪ロは、公式なものと評価されている。ロシア軍のトップであるロシア国家安全議会議長ニコライ・バトロワシフ、セルゲイ・ショイコフ国防大臣、そして、ラフロフ外相があっているからだ。
ロシアのイズベスチア紙は、名前は明かさないが、相当高位の人物も、ハフタル将軍と会っている、と報じたが、それはプーチン大統領を、指しているものと、思われる。
今回のハフタル将軍の訪ロを機に、ロシア軍がリビア国内に、軍事基地を持つことになれば、欧米の策謀は失敗し、アメリカのアフリカへの進出にも、ブレーキがかかることになろう。
アメリカのトランプ氏が、大統領に就任するのは、来年の1月だが、現在オバマ大統領は、実権を有していない状態にあり、まさに、空白の2か月が目の前に、控えているということだ。この空白期間中に、東リビア政府とロシアとの間で、基地開設の合意が出来れば、アフリカ全体の様相が、変わるという事であろう。