『トルコとアメリカがアルバーブ、ラッカ作戦で対立』

2016年11月18日

 トルコにとってもアメリカにとっても、これから先の重要な作戦は、アルバーブとラッカであろう。アルバーブはユーフラテスの盾作戦という、トルコの作戦のなかでも最重要の作戦で、IS(ISIL)の戦闘員をユーフラテス川の、東岸に追い出すことを、目的としている。これにはクルド人の追放も含まれており、トルコにとってはクルド人追放が、最優先していよう。

ラッカ作戦はIS(ISIL)の首都である、ラッカを陥落させることによって、IS(ISIL)をシリアから追放したいという事であろう。すでにIS(ISIL)内部では、相当混乱が起こっており、バグダーデイがモースルから、他の場所に逃げたとか、彼はモースルで逃亡用のトンネルを掘っている、といった情報が伝えられている。加えて、バグダーデイの後継者選びが始まっている、とも伝えられている。

 シリアの北部に位置する、アルバーブ攻撃作戦をめぐって、トルコとアメリカの間に、齟齬が発生し始めている。それは、トルコ軍がクルドのミリシアとの、共闘を拒否していることに、端を発している。

 トルコにしてみれば、潜在的な敵であるクルドとは、共闘したくないということはよくわかる。クルドのPKK30年以上にもわたって、トルコを悩ましてきた反トルコ組織であり、既に40000人以上のトルコ人が、犠牲になってきたとトルコ政府は発表している。

 また、クルドはトルコの南東部を中心に、将来の分離独立を考えてもいるのだ。シリアの北部に、クルドの自治区が誕生することになれば、それはトルコのクルドにも、大きな励みとなろう。従って、トルコ政府はクルドのミリシアと、共闘することはありえない、ということだ。

 他方、アメリカはと言えば、アメリカはクルドの戦闘能力を、高く評価しており、何としてもアメリカの戦力の一部に、クルドのミリシアを組み込みたい、という事であろう。シリアのクルドだけではなく、イラクのクルド自治政府の軍隊、ペシュメルガのこれまでの活躍も、大きかったからだ。

 結果として、アメリカをリーダーとする合同軍は、トルコのアルバーブ作戦には、関与しないことを決めた。従って、トルコはクルドの支援もなく、アメリカを始めとする合同軍の支援もない、単独での作戦を遂行しなければならなくなった、という事だ。

 それ以外の面でも、最近はアメリカとトルコとの関係が、冷めてきているようだ。