11月5日深夜、トルコのイスタンブール空港を、襲撃しようとした2人が警察に止められ、一人は負傷し未遂に終わっている。この二人はバイクに乗って、空港内に突入を図ったようだが、チェック・ポイントで発覚し、警官が発砲し、テロリストも発砲したようだ。
ただ、テロリストは空に向けて、発砲したということであり、その意図は分からない。
トルコでは昨年以来、連続して、イスタンブールを始め、アンカラなどでテロ事件が起きているが、イスタンブール空港ではテロが6月に起こり、41人の死者と24人の負傷者を出す、という大惨事となった。
トルコはこのところ、シリアやイラクのIS(ISIL)に対する、攻撃を始めており、加えて、クルド対応も厳しさを増している。つい先日は、クルドの政党HDPの二人の党首が、PKK(クルド労働党)との関係が疑われ、逮捕されているが、その後に、トルコ南東部のデヤルバクルでは、大規模なテロが起こっている。
トルコのユルドルム首相は、HDPがPKKと関係していることが明らかになれば、容赦しないと息巻いている。
しかし、このHDP党首逮捕は、欧米から激しい非難を、浴びることとなった。加えて、トルコ政府はジュムフリエト紙が、PKKと関係しているとし、編集長やスタッフ多数を逮捕してもいる。
HDP党首の逮捕と、ジュムフリエト紙への弾圧が重なり、トルコのクルド人の間には、相当に怒りの感情が、高まっているものと思われる。こうしたことから、今回のイスタンブール空港へのテロ事件や、デヤルバクルでのテロ事件が発生したことは、起こるべくして起こったと言えそうだ。
空港へのテロはトルコの経済を、ますます窮地に、追い込むのではないのか。空港が安全でないとなると、観光客は寄り付かなくなるからだ。ただし、今回のテロ未遂事件では、イスタブール空港の発着には、遅延は起こらなかった、とトルコ空港当局は発表している。