『ダハラーンがアッバース後のPAリーダーか』

2016年11月 5日

 

 ムハンマド・ダハラーン(55)はかつて、ガザ地区の治安担当責任者だった。彼の人気はその頃から、飛びぬけていたのだが、マハムード・アッバース議長が彼を警戒し、ファタハの中央委員のポストから、彼を2011年に外している。

その後、彼は主にアラブ首長国連邦のアブダビに居住し、優雅な生活を送っている。アラブ首長国連邦とヨルダン、エジプトが彼をバック・アップしているのだ。セルビアの国籍も取得しているが、それはアラブ首長国連邦に、セルビアへの巨額投資を、するよう勧めたからであろう。

ロシアとの関係も悪くないようで、カイロで開催された、パレスチナの会議には彼も参加している。彼はガザでの人道的プロジェクトを進めたい、と考えており、諸外国の支持が得られやすい、ということであろう。

しかし、ヨルダン川西岸地区では彼をめぐる、ダハラーン支持者とPA(パレスチナ自治政府)との関係は劣悪であり、先週も双方で銃撃戦が起こっている。その戦闘時間が6時間だというのだから、尋常ではあるまい。結局、PAの治安部員は、誰も捕まえることなく、引き上げたということだ。

トルコに付いては、反エルドアンだ。それには、トルコとエジプトや、アラブ首長国連邦との関係が、背後にあるということであろう。

エジプトのシーシ大統領との関係は、直接繋がっており、エジプト・メデアへの彼の影響力は、少なからぬものがある。ダハラーンはエジプトのニュース・ウエッブ・サイトを購入してもいる。資金はアブダビ政府が、支払ったのであろうと思われる。

こうした状況を考えると、11月に予定されているファタハの議長選挙では、ほぼ確実にダハラーンが勝利するのではないか、と予想されるのだが、これに対し、マハムード・アッバース議長やエレカトなど、古手の幹部はどう対応するのであろうか。

いま言えることは、マハムード・アッバース議長は、81歳と高齢であり、大分私服も肥やしてきたのだから、退陣にはいい時期なのかもしれない。ダハラーンの方は、アブダビから相当額の資金を得ており、金に汲々とする必要は、無いと言われている。

ファタハの旧体制幹部が、マハムード・アッバース議長の後継になれば、汚職で私服を肥やす動きが、再発するということであろう。それは、アラファト議長の死後に、マハムード・アッバース議長が歩んできた道だ。