『アメリカの工作と報道のデタラメ?』

2016年10月30日

 

 最近外国から入って来る、中東関連のニュースを見ていると、オヤッと思うことがよくある。それは数字が似通っているからだ。例えばモースルに残存するIS(ISIL)の戦闘員の数は40005000人とか、リビアのシルテにいるIS(ISIL)の数は、5,000人といったものだ。

どういうわけか、このところマスコミが流す数字に、3000,40005000というのが、異常に多いような気がする。

そして極めつけは、モースルで人間の盾として、IS(ISIL)が集めた周辺住民の数は、30000人という記事だ。これまで、IS(ISIL)の戦闘員は食糧が不足している、給料が支払われていない、というニュースが流されていたのに、どうやって人質に食糧を、提供するのであろうか。

まさか、人質にした30000人に対しては、食糧を与えず、餓死させる、ということではあるまい。加えて、この報道の嘘を感じるのは、戦闘で忙しい5000()IS(ISIL)戦闘員が、どうやって30000人もの人質を、盾に使うというのか、疑問が沸く。

数字は多い方がインパクトがある、ということであろうが、あまりにも現実的で無い数字が踊ると、誰もその記事を信用しなくなると思うのだが、如何なものか。

ロシアが報じた、シリアのイドリブ空爆記事は、現実的だと思えた。ロシアの国防省は、イドリブの学校上空を飛行する、アメリカの無人機の様子をキャッチしていた、と発表したが、そこには、ロシア機は飛んでいなかった、というのだ。

そして、ロシアが出した結論は、イドリブの学校空爆の映像は、10本以上のビデオを編集して、作られたものだった、ということだった。笑えるのは、ロシア機の上空からの撮影では、空爆を受けた学校の屋根が、全く損壊していないということであり、周辺地域にも、空爆によるロート状の穴も、無いということだ。

加えて、ロシアは指摘していないが、空爆が行われたのであれば、建物の壁にも、多くの損壊の跡が、見えるはずなのだが、全く無く、窓が爆発で抜け落ちているような、映像だけだ。

現場を見ているわけではないので、断言する自信は無いが、あまりにもいい加減な報道だと思えたので、指摘しておく。しかも、イドリブの惨状に関する報道は、多くの西側の主要マスコミが、伝えているのだ。

アメリカがイラクを攻撃するときには、サダムがWMDを開発している、化学兵器を持っている、などといった、アメリカ政府の発表を、報道がそのまま伝えて、アメリカによるイラク攻撃に、正当性を与えたのだが、後にWMDの開発は嘘だった、ということが明らかになった。

しかし、そのときは既に、100万人を超えるイラク人が、殺害された後だったのだ。こうした過去の例から、学ばなければならないことは、『報道には嘘がある。』ということだ。しかも、大手の国際的に知られる報道機関ほど、嘘の程度が酷い場合があるということだ。