モースル戦争開始宣言
イラクのアバデイ首相は、10月17日月曜日の早朝に、モースルへの軍事作戦を開始する、と宣言した。『勝利の時は来た。モ-スルを解放する作戦はスタートした。』このアバデイ首相の開戦宣言は、イラク国営テレビで伝えられた。
今回のモースル解放作戦には、どの程度の軍が投入されるのか、明らかになっていないが、アメリカ軍が空爆をし、イラク軍が陸上戦闘部隊を投入する、ということであろう。
それ以外の合同軍に参戦している、外国軍も加わるだろうが、あまりあてには、ならないのではないか。そうだとすれば、モースル奪還作戦はイラク軍が、主流になるということであろう。
今回のモースル奪還作戦は、合同軍によって展開されるのだが、イラクのアバデイ首相がトルコ軍の参加を、拒否したこともあり、トルコ軍はこの合同軍に参加できないでいる。
トルコのエルドアン大統領は、『トルコ軍が訓練したイラク軍が、1500人から2000人参戦すると語り、イラク軍だけではモースル戦で、勝利は出来ない。』とトルコ軍の参戦できなかった悔しさをごまかしている。
また、彼はプランBもプランCもあると語り、今後の合同軍への参加を、計画しているようだ。
これとは話は別だが、アメリカがシリアのコバネ(アイン・アラブ)に空軍基地を建設することが決まったが、このことにエルドアン大統領が噛み付いている。この空軍基地建設予定地は、300ドナムの広さで、2500ドルでクルドの統一党が、アメリカに売却したということだ。本来の地価は、7000ドル程度だということだ。
エルドアン大統領が怒りまくったのは、このシリアのコバネの基地が、本格的なものになって行けば、トルコのインジルリク空軍基地を、アメリカ軍やNATO軍は、使う必要がなくなるからだ。
何とはなしに、アメリカがトルコとの距離を、開けているような気がする。これまでアメリカは、トルコのエルドアン大統領に重要な案件で、幾つも『NO』を突き付けているからだ。
もし、イラク軍によるモースルの奪還が、成功した場合、エルドアン大統領は完全にメンツを、失うことになるということだ。それはトルコ国民に対しても、世界に対しても同様であろう。