『ISのリーダーバグダーデイが毒殺未遂』

2016年10月 4日

IS(ISIL)のリーダーである、バグダーデイ(イブラヒム・サマライ)が、毒殺されそうになった。彼は何とか死を免れたようだが、重体のようで、治療のため何処かに、運ばれたようだ。

バグダーデイの毒殺未遂は、イラクのニネベの南東部にあるベアアジで起こった。彼はその時、IS(ISIL)の幹部3人と、食事をすることになっており、運ばれた食事に毒が混入されていた。もちろん他の3人も、緊急治療のために、ベアアジから運び出されたようだ。

このニュースはイラクのWAA(イラク・メデア・ニューズ・エイジェンシー)のアラビア語版が、伝えたものだ。

このニュースを読んでいて気が付くことは、バグダーデイは彼が設立し、イスラム国家の首都と定めた、シリアのラッカ市ではなく、イラクにいたということだ。もちろん、何らかの用事でイラクに入っていた、とも考えられるが、ラッカ市が間もなく、本格的な攻撃を受けることになっているので、早めにイラクに、移動していたのかもしれない。

もう一つの点は、バグダーデイが治療で運び出されたのは、トルコの病院なのか、あるいはイスラエルの病院なのか、という点だ。バグダーデイの状況は、相当厳しいようなので、トルコに運び出された可能性が、高いかもしれない。

勿論、バグダーデイがどこの病院に搬出されたのか、搬出された先についての、情報はない。

負傷したIS(ISIL)の戦闘員たちが、これまでトルコの秘密の病院で、治療を受けていることは、公然の秘密となっていたし、イスラエルもIS(ISIL)など、反アサド派のミリシアの治療を、行ってきていることは、広く知られている。

したがって、バグダーデイが搬出された先は、トルコかイスラエルの病院だ、と考えるのが自然であろう。

また、何でバグダーデイをベアアジから、搬出したのかという事も、気にかかる。搬出手段は自動車なのか、ヘリコプターなのか、ということだ。緊急を要するであろうから、ヘリコプターが使われた可能性が、高いのではないのか。そうだとすれば、そのヘリコプターは自前のもの、とも考えられるが、アメリカ軍が、提供した可能性もあろう。

もう一つの点は、バグダーデイの側近たちが、食事を用意しているのであろうが、その側近のなかに、バグダーデイの食事に毒物を混入させる者がいた、ということだ。そのことは IS(ISIL)の中枢部分に、亀裂が発生していることを、示しているのではないか。