『エルドアンがローザンヌ条約非難でアタチュルク非難』

2016年9月30日

 

 

 エルドアン大統領にとって、歴史上のライバルはケマル・アタチュルクであり、現代のライバルはフェイトッラー・ギュレン氏、ということになるのであろうか。ギュレン氏に対する攻撃は続いており、多くのギュレン・グループのメンバーが逮捕されている。

エルドアン大統領はクーデター後の処理を巡り、非常事態宣言をこれから12か月延長しよう、と言い出してもいる(実質はギュレン・グループのメンバー狩り)。彼に言わせれば、非常事態宣言を延長することは、トルコ国民にプラスだ、というのだ。

他方、ケマル・アタチュルクについては、エルドアン大統領に言わせれば、彼が交わしたローザンヌ条約は、大失敗だったということになる。エルドアン大統領に言わせれば、当時のトルコ側代表は、時間を延長し、会議の場であたかも、鍔ぜり合いをしているかのように装い、条約締結後、これはトルコの勝利だった、としているというのだ。

しかし、現実は逆であり、当時のトルコ側代表には、正当に権利を主張するような力は、無かったというのだ。

結果的に、トルコはローザンヌ条約締結後、多くの島々をギリシャ側に、引き渡すことになった、というのだ。それがトルコの領土であることを示す証拠は、いまだに島々には、モスクが建っている、ということだ。それは、オスマン帝国の支配下に、これらの島々があったからだ、というのだ。

このローザンヌ条約の条項のなかには、幾つもの秘密の合意項目があるようだ。以前、トルコの友人から聞いた話では、ローザンヌ条約には秘密条項というものがあり、その中には条約締結後、トルコは100年間に渡って、地下資源を開発してはならない、というのがあるそうだ。

そのために、トルコはいまだに同国の南東部の、地下資源開発ができないでいる、ということのようだ。この地域にはガスや石油資源が、あることが予測される。なぜならば、大産油国でありガス生産国であるイランやイラクに、トルコは隣接しているからだ。 

小規模ではあるが、イラクに隣接するシリアからは、ガスも石油も産出しているのだ。それを支配してIS(ISIL)は、勢力を拡大させていたのだ。そのIS(ISIL)と手を組んでいたのは、エルドアンの実子ビラールだった。

加えて、トルコは火山国、地震国であるため、金鉱脈もあろうという推測が、出ているのだ。また、ウランに代わる鉱石の存在は、世界的にもナンバー23にあたるのがトルコだということが実証済みになっている。

それだけに、ローザンヌ条約の期限が切れる2023年には、トルコがどんな展開になって行くのか楽しみだ。