『中東短編情報』

2016年9月29日

 

:ISイラクの石油地帯失う

IS(ISIL)はイラクでほぼ全ての、石油地帯支配を失ったようだ。イラク政府軍との戦いで、キルクークに近い油田を失ったほか、モースルに近いカッヤーラ油田も失っている。

こうなると、IS(ISIL)は資金の入手方法が、無くなるわけであり、支配地域住民から、税金を取り立てることと、罰金で食いつながなければ、ならなくなったということだ。

そのことが、アメリカ政府やイラク政府をして、今年末までのモースル奪還を、語らせているのであろう。

 

リビアのハフタル強い立場に

リビア東部政府のハフタル将軍が、次第に統一リビア政府に対しても、存在感を強めているようだ。

ハフタル将軍の軍隊は、既に、シルテの3つの石油積み出し港を、支配下に置いているが、リビア政府はいま、石油輸出が思うようにいかず、国家の金庫は空っぽになったようだ。

そのことが、統一リビア政府のセラジ首相をして、ハフタル将軍に議会での発言を、して欲しいといわせたのであろう。

 

:トルコ政府再度エルゲネコン調査

エルゲネコンとはトルコにある、影の政府組織だ。この組織には政治家、学者、警察、検察、軍幹部、ジャーナリスト、経済人など、多くのメンバーがいるようだ。

エルゲネコンの調査と、その後の逮捕、投獄ができたのだが(2008年)、エルドアン大統領はこの組織が、怖くなったのであろうか。すべての投獄者を釈放している。

先日は、このエルゲネコンの幹部であるペリンジ氏が、エルドアンのスキャンダル録音テープ38本を持っている、何時でもエルドアン体制を、潰せると豪語していた。彼は『電話盗聴暴露はギュレン・グループだ、とエルドアンが語っていたが、それは嘘で我々がやったのだ。』と言っている。

そのようなこともあって、今回の再調査に踏み出すのであろうが、必ずしも本格的なものには、ならないのではないか。エルドアン大統領はあまりにも多くの、弱みを握られているからだ。今回の再調査は、エルドアン大統領が国民に対して、強気の姿勢を見せるだけのものであろう。

 

:アメリカモースルに追加派兵

アメリカ政府はイラクのモースル奪還作戦に向けて、600(617)の兵員をモースルに、追加派兵することを決定した。

現在の段階では、アメリカ軍はイラクに、合計で4600人が駐留している、といわれている。今回の増派がモースル奪還だけに、投入されるのであればいいが、それ以上の目的に、振り向けられるようなことになれば、イラクは再度地獄になろう。