トルコを30年以上にわたって苦しめてきた、PKK(クルド労働党)のアブドッラー・オジャラン議長が、イスラム教の犠牲祭を機に、外部からの訪問者との会談を許された。アブドッラ-・オジャラン議長の弟メフメト・オジャラン氏も、この代表団に参加していたが、彼は兄が健康であることを、喜んで報告している。
アブドッラー・オジャラン氏は1999年以来、マルマラ海のイムラル島に、幽閉されており、2年に1回は外部からの訪問者との、面会を許されている。彼は当初、死刑判決を受けたのだが、今では減刑され、イムラル島幽閉の終身刑となっている。
アブドッラー・オジャラン議長は今回の、クルド代表団との会談のなかで、『我々には計画がある。もし、トルコ政府がこの計画を、受け入れるのであれば、我々はそれを半年以内に、実行に移すことができる。この計画をトルコ政府が、受け入れるか否かについては、期限を設定しない。
クルド問題は重要な問題(重い)であり、20~40年で何とかなる、という性質のものではない。それは、100年200年に渡る問題なのだ。この戦争は一方だけが、勝利することができる、性質のものではない。流血と涙の時代に、終わりを告げよう。』と語った。
しかし、アブドッラー・オジャラン議長は彼の言う計画が、どのようなものであるかについては、詳しく語っていない。
他方、トルコ政府は『PKK(クルド労働党)はテロ組織であり、トルコ政府と戦いを終わらせたいのであれば、武器を置いて、トルコの領土から立ち去れ。』という考えだ。
今回、アブドッラー・オジャラン議長が語った『計画』なるものが、どのような内容なのか、それはトルコ政府にとって、受け入れる余地があるものなのかについては、現段階では判断できない。
ただ、トルコ政府はこれまでも、クルド側との秘密交渉で、クルドの政治活動を、大幅に認めてきている、という経緯もある。ご存じのとおり、クルドの政党が存在し(HDP),彼らは多数の国会議員を、議会に送り出してもいる。
今回のアブドッラー・オジャラン議長の発言は、あるいは『トルコのクルドはシリアのクルドと連携はしない。』という内容なのかもしれない。エルドアン 大統領にとってクルド問題で重要な点は、シリアのクルド、イラクのクルドが連携し、遂には、トルコのクルドもこれに加わり、独立したクルド国家を設立することだ。