多数のIS(ISIL)戦闘員が、ヨーロッパ諸国から参加したことは、よく知られている。IS(ISIL)の戦闘員は、世界100か国から、3万人が参加していた、と報告されている。
今週の水曜日(9月7日)に、ブリュッセルで欧州治安政策会議が開催された。そのなかで、多数のIS(ISIL)戦闘員がヨーロッパ諸国に、帰国していることが報告されている。
ヨーロッパ諸国にはIS(ISIL)の戦闘員5000人が帰国したが、EU 諸国は自国内にIS(ISIL)の戦闘員が潜伏することを、阻止できなかった。このため、今後大規模なテロが彼らによって、起される懸念が高まっている。
EU諸国リサーチ・デレクターのジェレミー・シャピロ氏は『国境警備が必要だ。』と語っている。現在はEU のいずれかの国に入国すれば、後はフリーで各国に移動できるようになっているが、これでは危険過ぎるということだ。
シリアの難民の流入が、EU諸国にとって大問題となっているが、現在もなおEU入りを希望して、リビアやトルコ、レバノンやヨルダンで待機している、難民が多数いる。
その数はリビアに25万人、トルコには300万人、レバノンやヨルダンにも何十万人単位で、シリア難民がEU入りを、待っているのだ。そのなかには、IS(ISIL)のメンバーも紛れ込んでおり、対応を誤れば、難民に冷たいと非難され、対応を甘くすれば、IS(ISIL)のメンバーが多数EUに入ってくる、ということになる。このため、EU諸国は対応に、苦慮しているということだ。
既に、昨年の11月には、パリで爆弾テロが起こり、130人が犠牲になっているし、ブリュッセルでも爆弾テロが2度起こり、14人が犠牲になり、100人ほどが負傷している。ベルギーでは地下鉄での、テロも起こっている。
こうしてみると、まさに危機はそこまで迫っている、というのが現在のEUの実情であろう。日本はいまのところ、IS(ISIL)によるテロは起こっていないが、将来も起こらない、という保証はない。今のうちから対応策を、考えておく必要があるのではないか。