『中東短信』

2016年8月23日

 

:リビア議会統一リビア政府拒否

リビア東部にあるトブルク政府の議会は、トリポリに本部を置く、国連に支援される統一リビア政府の方針を、拒否する決議を出した。内訳は101人の議員のうち、61人が反対、一人が賛成、他の39人は欠席した。このことは今後、新たな東西対立が、リビアのなかで起こることを予測させる。

 

:イランはロシアのイラン霧使用に中止決定

イラン政府はあまりにもあけすけに、ロシア政府がイランのハマダン空軍基地を、使用していることを明かしたため、今後、同基地の使用を禁止する決定を下した。イランにしてみれば、ロシア軍機がシリアを空爆することには、賛成なのだが、そのことはあまり公表してほしくない、ということであろう。それは多分に西側諸国を、意識したものではないかと思われる。

なおその後のイラン政府の発言からは、一時的な中止であり、近い将来、ロシア軍がイランの空軍基地を、再度使用することが認められ、再開されるものともわれる。

 

:クルド人結婚式の爆弾テロ

ガゼンテペで開かれていた、結婚式場に対するテロが起こり、54人の死者を出したが、当初、このテロは12歳から14歳の少年たちによって、爆弾が持ち込まれた、とみられていた。しかし、その後の調査では、どうも爆弾テロ犯はそうではなかったのではないか、という判断が出てきている。

爆弾は特殊なものであり、通常のものではない、高威力のものであったことなどから、IS(ISIL)の犯行説が、有力になってきている。ただ、今回のテロで気になるのは、ほとんどの犠牲者が、クルド人であったことだ。

以前、アンカラで起こったクルド人の集会に対するテロも、多数の犠牲者を生み出したが、それはクルド人がやはり、犠牲者のほとんどであったことから、内部犯行ではないか、という疑惑が沸いていた。

 

:エジプト外相イスラエルのガザ区劇はテロではない

エジプトのシュクリー外相は、イスラエルが行ったガザ地区に対する、空爆について言及した。彼によれば、この攻撃はテロではなく、通常の軍事攻撃だということだ。これに先駆け、トルコ政府はガザ攻撃について、テロ攻撃だと非難している。もちろん、ガザのハマース・スポークスマンは『エジプトの外相は目が見えない。』と非難している。