:アメリカがサウジアラビアから顧問引き揚げ
アメリカ政府はサウジアラビアが推進している、イエメンへの軍事攻撃について、軍事顧問を派遣して、指導していた。しかし、国内外の非難が強まったために、サウジアラビアの非人道的なイエメン攻撃を、支援するのはまずい、と考えたのであろう。
結果的に、現在サウジアラビアのリヤド市などに、残っている軍事顧問の数は、5人に減少した、ということだ。
サウジアラビアがイエメンに対して、軍事攻撃をかけ始めたのは、副皇太子にムハンマド・サルマン王子が就任してからだが、アメリカはそれを、止めようとは考えなかった。つまり、サウジアラビアのイエメン攻撃は、大量のアメリカ製兵器を、消耗させると考えたのかもしれない。
それがここに来て、突然のように軍事顧問を引き上げるということは、アメリカがサウジアラビアそのものに対して、不信感を強めているからではないか。
:イラン国防相アメリカは中東戦略を間違えた
イランのホセイン・ダハカン国防相は、『ワシントンの中東戦略は失敗した。』と語った。これはテヘランの金曜礼拝の場で語られたものだ。
『アメリカは民主主義、平和、治安、安定化などを語り、中東諸国に介入したが、実際はその逆で、中東諸国は危険な状態に陥った。』とも語っている。
しかし、『イランは十分な軍事力を持っており、アメリカの陰謀には騙されない。イランは自国を防衛する十分な武器があり、兵器生産能力もある。』とも語っている。
アラブを始めとした中東諸国では、押しなべて、アメリカが怨嗟の対象になっているが、これはイランにしてみれば、勝利の一つであろう。アラブを始めとした中東諸国の政府は、アメリカには直接は言えないが、政府も国民もアメリカの介入の仕方に、腹を立てていることは事実だ。
:ギュレン氏アル・アラビーヤTVのインタビュー受ける
アメリカのペンシルバニアに亡命している、フェイトッラー・ギュレン氏はアル・アラビーヤ・TVのインタビューを受けた。彼は述べるまでもなく現在、エルドアン大統領の最大の敵であろう。
フェイトッラー・ギュレン氏の指導するヘズメト組織は、エルドアン大統領の弾によって、慈善団体を含む多くの組織が破壊され、多数の関係者が逮捕投獄されている。
エルドアン大統領のギュレン・グループに対する弾圧は、今後も続くものとみられ、大統領はメンバーを投獄するために、現在獄中にある、非ギュレン関係の囚人、38000人を釈放している。つまり今後、エルドアン大統領はギュレン・グループのメンバーを、38000人ほど逮捕投獄する、ということではないのか。
フェイトッラー・ギュレン氏がインタビューのなかで語った、重要なポイントは次の点であろう。
―トルコ政府はクーデターを起こしやすく取り計らっていた。
―軍の組織に対して敵対するつもりはない。
フェイトッラー・ギュレン氏は今回のトルコのクーデターは、エルドアン大統領によって仕組まれた、と暗に語ったということであろうか。
また、軍に対しては本物のクーデターによる、エルドアン体制の打倒を、希望しているという、メッセージを送ったのではないか。