世界がどさくさに紛れているときは、何かをたくらんでいる国にとっては、その秘密の計画を、実行に移しやすいのであろうか。ここに来て、イスラエル国内ではソロモン王の、第三神殿を建設しようという動きが、本格化してきている。
ソロモン神殿は最初、ソロモン王が紀元前1000年に、建設したと言われている。その後バビロンの捕囚から解放されて、イスラエルに戻ったユダヤ人たちによって、再建された。
しかし、その神殿も紀元前586年に破壊され、その後再建されたのだが、第二神殿も紀元後70年に、ローマ軍によって破壊されている。
世界に散らばるユダヤ人にとっては、イスラエルのエルサレムに、ソロモン神殿が再建されることは、まさに念願であろう。このソロモン神殿の再建を、現代史のなかで、最初に強く進めようとしたのは、ネタニヤフ首相の父親であった。
彼はイスラエル建国時の、極右だった人物だ。彼はイスラエル建国後、イスラエルの妥協的な当時の政治家たちに失望し、アメリカに渡り住む。そこで彼はソロモン神殿再建委員会を、結成している。
こうした経緯から、これまで多くの域者たちは、ネタニヤフ首相が父の意向を受け、ソロモン神殿の再建を、実行するのではないか、と思われてきていた。しかし、それは極めて危険な選択でもある。アラブ人や世界のムスリムを、敵に回すことになるからだ。
ソロモン神殿再建委員会が考える再建場所は、実はイスラムの聖地である、アクサ・モスクや、石のモスク(石のドーム)のある場所なのだ。再建するとなれば、これらのイスラム教徒側から見れば、聖地のモスクを破壊しなければ、ならないのだ。
ユダヤ教では今年2016年が、ソロモン神殿を建設するにふさわしい年だ、と言われているという話もある。もし、今年を再建の年に出来なければ、500年後にしかその日は廻ってこなくなる、と言われているらしい。
そうなるとネタニヤフ首相が、ソロモン神殿再建委員会に対して、神殿の再建許可を出す、可能性があろう。
果たして、ネタニヤフ首相はその難しい選択をし、再建許可を出のか。ソロモン神殿建設に使われる石材は、既に全てカットされ、アメリカにあるということであり、ソロモン神殿の再建が許可されれば、たちまちにしてイスラエルに持ち込まれ、再建が始まるということだ。そうなれば、ソロモン神殿は工事開始から、3年で完成すると言われている。