『クウエイト沿岸警備隊イランのスパイ逮捕』

2016年8月15日

 

 クウエイト内務省は、イランのスパイ10人を、逮捕したと発表した。スパイ容疑者たちは、クウエイトの沿岸警備隊が、逮捕しようとした折に、抵抗したために一人が負傷した。

 これらイランのスパイ容疑者たちは、クウエイトの沿岸警備隊のレーダーで補足され、逮捕されたのだが、後ろ手に座らせられ、膝まずいている写真が公開されている。

 一方、イランのブーシェヘル沿岸警備隊のアミール・ホスラビ中佐は、『彼らは漁民であり、スパイでは無い。』とクウエイト側の主張を、否定している。また、『彼らは国境を侵犯してもいない。』とも語っている。

 先月も、ハサン・アブドッラーヒ・アリが、イランのスパイだとして、死刑判決を受けている。この人物はクウエイト内務省によれば、ヘズブラのメンバーであり、クウエイト国内に、反政府の細胞を結成し、26人がメンバーだということだ。

そのなかには、イラン人も含まれていた、と報告されている。なお彼らは爆発物や武器も、持っていたという報告がある。

 クウエイトのイラン大使館は、こうしたクウエイト側の動きを、反イランのキャンペーンであり、両国関係を破壊する目的だ、と反論している。

 何故昨年ごろから、クウエイトはイランに対して、敵対色を強めているのであろうか。その理由は、同盟国であるサウジアラビアが、イランと緊張を高めていることに、起因しているのではないか、という推測がなされている。

 イラン側にして見れば、サウジアラビアもそうだが、サウジアラビアと良好な関係にある、湾岸のクウエイトやアラブ首長国連邦、カタールそしてバハレーンなどに、揺さぶりをかけ、サウジアラビアとこれらの国々の関係を、疎遠にしていけば、やがて、サウジアラビアは孤立することになり、イランにとって有利な状況が、生まれると考えているのであろう。

 こうした動きは、石油供給に不安をもたらし、石油価格が乱高下することも、予期しなければなるまい。アメリカのシェール・オイルの生産が・激減しているいまの時期は、湾岸諸国の治安動向が、直接的に価格に影響する、危険性があるということだ。