トルコのクーデターが7月15日に発生し、18日にはほぼ正常な状態に回復した、とトルコ政府は発表している。 果たしてそうなのでろうか。最近、このクーデターがどれだけの、経済的ダメージを与えたのか、という調査結果が発表された。
この結果発表は、通商大臣ビュレント氏によって行われたものだが、その損失額は、1000億ドルに上ったということだ。しかし、彼は調査が進み時間が経過すれば、数字はもっと増える可能性がある、とも語っている。
今回のクーデターは内部犯行であったか、外部かあのものであったかは別にして、相当の経済的損失をトルコに、生み出したことは確かであろう。
ビュレント通商大臣が言うには、第一に兵器では戦闘機,ヘリコプター、各種武器、爆弾が使われ、その一部は破壊されもしている。また、ビルも各地で攻撃を受け、破壊されてもいる。
それよりも大きなダメージは、トルコという国家そのものの受けた被害だ。戦車が市内を走り回るような国には、観光客は向かわなくなろう。これではまるでトルコが、第三世界の国ようなイメージで、受け止められることになるのだ。
実際に外国からのツアーの予約の多くが、キャンセルされており、観光産業界が受けるダメージは少なくない。観光バス会社、ホテル、リゾート会社などが、ダメージを受け、土産物屋も同じように、ダメージを受けている。
しかし、クーデター後の7月18日(月曜日)には、トルコの商店街、株式市場、銀行、商品取引所などは、正常に運営されている。
ただ、株式市場の取り引き額は、限度内で低下している。また、外人投資家たちが、一斉に引き上げるという現象も、起こらなかった。
いずれにしろ、トルコ政府はこの状況をリカバーするため、外国に対してトルコに向かうよう、キャンペーンを展開しる方針だ。それが効奏するか否かは、今後のトルコ政府の対応次第であろう。大量の公務員首切りや逮捕は、トルコの対外的イメージを悪化させるだけではなく、通常業務が動かなくなる、ということでもある。
エルドアン大統領は現時点で、絶対的な権限を手中に収める努力をしているが、そのことだけではなく、公務員や軍人、検察官、警察、そしてマスコミ人を有効に活用することに、専念すべきであろう