『中東短信』

2016年7月27日

 

:リビア石油タンカー攻撃辞さず

 リビアの軍司令官アブドルラージク・ナドホウリ将軍は、外国の石油タンカーがリビアの海域に侵入した場合、攻撃すると語った。これはリビアで入り乱れる、各ミリシア組織が勝手に石油を密輸していることを、阻止するための措置だ。

 アブドルラージク・ナドホウリ将軍は、リビア国営石油会社との合意以外の、石油取引は認めないとし、密輸タンカーを攻撃する、と外国の石油会社に警告したものだ。(今リビアでは30BD程度の石油が生産され、その一部は密輸されている)

 

:パレスチナ自治政府アラブ・サミットで英のバルフォア責任持ちだす

 モーリタニアのヌワクシュート市で開催されている、アラブ首脳会議の席上で、パレスチナ自治政府代表ラ-イド・マリキ―外相は、パレスチナ問題はイギリスが117年に発した、バルフォア宣言によるとし、イギリスの責任を追及した。

 このバルフォア宣言を基礎に、1948年イギリスがパレスチナの地から手を引くと、イスラエルが建国され、今日の拡張につながっていると語った。

 

:イラン・トルコ列車が攻撃受ける

 イランとトルコを結ぶ列車が、トルコ東部の町エルズルム市の近く、イラン国境から30キロの地点で攻撃を受けた。幸い死者は出なかったが、2人が軽い怪我を負った。

 この攻撃はクルドによるものであろう、という憶測が出ているが、確証には至っていない。最近トルコを拠点とする、PJAK(クルドの反イラン組織)による、イランに対するテロ攻撃が増加している。

 トルコのワン地方長官は、多分PKKによる犯行だろう、とみている。PJAKPKKに繋がる、イランに対する抵抗組織だ。

 

:ヨーロッパのEBRD銀行はトルコに融資

ヨーロッパのEBRD銀行はトルコに対し、7000万トルコ・リラ(2100万ユーロ)の投資を行うことを決定した。この資金はトルコの保健省と民間との協力で、病院施設建設に投資される、予定になっている。

EBRDは以前にも、トルコのコンヤ市の病院に対する、投資として1450万ニューロを、貸し付けている。

 

:トルコ政府キルギス政府にクーデター警告

 トルコ政府は中央アジアのキルギス政府に対して、クーデターが発生する危険性を指摘している。それは、キルギスにおけるギュレン・グループの活動が、活発であり、トルコ政府の判断では、政府や軍の枢要な部分に、ギュレン・グル-プの影響が及んでいるからだ、ということだ。

 トルコ政府はこのため、キルギス在住のトルコ人のギュレン・グループ・メンバーのリストを、キルギス政府に提供している。