『トルコのクーデターの裏側・最大の推測だが』

2016年7月16日

 

 715日にトルコの都、コイスタンブール市で起こったクーデターは、どうも胡散臭い感じがする。あまりにも簡単に始まり、あまりにも手際よく終わってしまった、ということが、第一の疑問点だ。

 そして、クーデターがまだ鎮圧しない段階で、エルドアン大統領はバカンスを楽しんでいたマルマラから、飛行機でイスタンブール市に、乗り入れたことだ。勇敢であると言えばそれまでのことだが、通常は何処かに身を隠して、指揮を取り、クーデターに参加した将兵を押さえ込んで、鎮圧が完了してから、出て来るのが普通であろう。

 しかし、彼はクーデターの途中で、イスタンブール市に入り、義理の子息ベレト氏と一緒に、記者会見の席に就いている。そのベレト氏はニコニコしながら、その席に座っていた。これも勇敢であると言えばそれまでだが、あまりにも不自然ではないか。

 エルドアン大統領はトルコ国民に対して、街頭に出てクーデターに反対のデモを行え、と檄を飛ばしている。もし、このクーデターが本物なら『自宅に留まって街頭には出るな・危険だ。』と言うのが普通であろう。エルドアン大統領は国民を犠牲にして、クーデターを止める気だった、とは思えない。

 こうしたことを考えると、今回のクーデターは権力側によって、仕組まれたのではなかったのか、という疑問が沸いてくる。そもそも、8月には陸海空三軍の合同会議が、アンタルヤ市で開催される、予定であった。その席では、クーデターの相談が行われるのではないか、という情報が私のところには、届いていた。

 エルドアン大統領は陸海空の将軍たちが、クーデターを起こす前に、擬似のクーデターを起こし、本物のクーデターを行わせない、計画だったのではないか。今回のクーデターが失敗に終われば、世界各国はクーデターを、非難するのは国際常識だ。それで本格的なクーデターを、押さえ込んだのではないか、ということだ。

 そして、今回のクーデターを理由に、エルドアン大統領にとって、不都合な、あるいは非友好的と思われる軍の幹部を、クーデターに関与していたとして、根こそぎ逮捕、投獄、あるいは更迭、首切り、左遷してしまうのではないのか、という疑問が沸いてくる。

 その後のエルドアン大統領の、トルコ国内における権力は、絶大なものとなることは、至極当然の結果であろう。今回のクーデターを理由に、軍だけではなく、警察、検察,裁判官そして国会議員からも、逮捕者が出るのではないのか。それは時間が経てば、明らかになることだ。これは推測だが。