最近、国際人権組織がエジプトの人道的状況に関する、報告書を公表した。その報告書によれば、数百人の学生、抵抗活動家、政治活動からが逮捕され、弁護士を付けられず、家族にも会えない状態で、拘束されているということだ。
そればかりではなく、多くの逮捕者が処刑されていることに付いても、同報告書は言及している。その報告書には、シーシ大統領就任以来今日までに、1000人以上が処刑され、40000人以上が投獄されているということだ。
同報告書によれば、今年の前半、半年間で既に630人が逮捕され、彼らは電気ショック、目隠し拘束、殴打、レイプを含む性的虐待といった、拷問を受けているということだ。
さてこの報告書の内容は、本当なのであろうか。シーシ大統領は敬虔なムスリムだと聞いているが、そうした人物がこのような拷問や処刑を、許しているのであろうか。あるいはこのようなことは、シーシ大統領の知りおかないところで、行われている可能性があろう。
この件とは別に、警察や軍人による暴力が、問題となり裁判が行われている。社会的不満と不安定と、テロへの脅威のなかで、人は理性を失うものなのかもしれない。
アラブでは毎日のように、数十人数百人の子供を含む一般市民たちが、戦闘に巻き込まれ死亡している。エジプトのこの程度の犠牲は、それほど大きな問題ではない、と言いたい権力者たちがいるのであろうか。そうであってほしくないし、この報告書の内容が、正しいものではないことを祈りたい。