ロシア軍による空爆で本格的に始まった、IS(ISIL)に対する攻撃は、アメリカが参加し、クルドのミリシア、イラク軍が奮闘し、大きな成果を上げつつあるようだ。IS(ISIL)はこれらの勢力の攻撃を受け、支配地の48パーセント程度をイラクで失い,シリアでも25パーセント程度を、失ったと言われている。
イラクに関していえば、現在一番重要な戦いは、モースル市の奪還であろう。すでに、イラク軍などはモースル市の近郊の、村落二つを奪還したと発表している。そして、その奪還が持つ意味が重大であることは、奪還した地域がIS(ISIL)にとっては、物資や人の流通の要なのだ。つまり、IS(ISIL)はこれらの地域を失ったことで、物資も戦闘員も受け入れられなくなったし、逃亡も難しくなったということだ。
もう一つのIS(ISIL)にとって頭の痛い問題は、イラク軍などによって奪還された、6キロのトンネルがあるが、この中には大量の衣類と金が退蔵されていた。多分金はIS(ISIL)のコインか、インゴットであろうと思われる。
加えて、IS(ISIL)がこれまで用いてきた、虐待器具が見つかったことだ。スパイク、鎖、バッテリーなどがそれだ。また近くの地下牢からは、数百人の受刑者が釈放されてもいる。
最近ロシアはIS(ISIL)の主な基地は、空爆によって破壊したと宣言している。そうしたこともあって、クルド自治政府もアメリカとの、軍事協力に合意している。今では、誰もが勝ち馬に乗りたい、ということであろうか。
イラクばかりではなく、シリアでもIS(ISIL)の敗色が濃く、デルゾールでも苦戦しているし、IS(ISIL)の首都であるラッカも、陥落は時間の問題だとみられている。アメリカ政府もIS(ISIL)は長くない、と語っている。
そして、イラク・シリアを失うであろうIS(ISIL)は、今後東南アジアにシフトしていくのかもしれない。それは次第に日本に近づいてきているということだ。そして、東南アジアには多くの日本人が、居住してもいるということを、忘れてはなるまいし、しかるべき対応策が必要だ、ということだ。