サウジアラビアの3か所で、テロ事件が起こった。最初は紅海に面した、港町ジェッダ市で起こった。他の国の港町に似て、ここはサウジアラビアでは、比較的自由な雰囲気が、あるところだ。
ジェッダで起こった爆弾テロ現場のそばには、アメリカ領事館があることから、強い関心を集めたが、アメリカ領事館のスタッフには、死傷者がいなかった。
そして、サウジアラビア北東部の街、アルカティーフ市でもテロが起こった。ここでは丁度一日の断食が終わる、午後7時前にテロが起こっている。幸いにして、特攻犯だけが死亡し、一般市民の間からは死傷者が、出なかったようだ。
もう一つのテロ現場は、イスラム教聖地のひとつ、メデイナ市で起こった。述べるまでもなくメデイナ市はメッカに次ぐ、イスラム教の聖地に数えられている場所だ。そこで起こったテロでは、4人の警官が死亡し、特攻犯が1人死亡している。
どうやらこれら3つのテロ事件は、いずれもIS(ISIL)のメンバーによるもののようだが、彼らのすべて、あるいは一部がサウジアラビア国籍の犯人たちなのか、あるいは外国人なのかが、やがて判明しよう。
IS(ISIL)はサウジアラビアをターゲットにする、とだいぶ前から宣言していた。そして、ラマダン月をそのテロ実行の時期に選び、世界中のIS(ISIL)支持者たちに、テロの実施を呼びかけてきていた。
ラマダン月の終わりに近い、過去1週間ぐらいの間に、IS(ISIL)に関連するとみられるテロが、あちこちで起こっている。バングラデッシュで起こったテロに加え、マレーシアでもナイト・クラブに、手榴弾が投げ込まれているし、インドなどでも起こっている。
ラマダンの最後の10日間ほどの期間は、ライラト・ル・カドル(聖なる夜)と呼ばれ、神聖な時期と定められており、その時期に無神者に対する、テロ決行した者は、アッラーによって称賛されるとでも、IS(ISIL)は宣伝していたのであろうか。
我々が警戒しなければならないことは、距離や時間に関係なく、実はIS(ISIL)の世界戦略のスイッチが、入れられているということだ(?)。それはサブリミナル効果だ。つまり、IS(ISIL)が開設している、ブログやツイッターを通じて、IS(ISIL)は世界中のムスリムに対して、蜂起すること(テロを実行すること)を呼びかけている、ということではないのか。
ある程度のイスラム教の知識があるムスリムは、IS(ISIL)の仕掛けたサブリミナル作戦にかかり、無意識のうちにIS(ISIL)の準戦闘員に、仕立て上げられてしまうということだ。
これまで多く展開されてきた、IS(ISIL)のメンバーたちによる、特攻作戦や母親殺し、家族惨殺ということは、サブリミナルによるとしか、考えられないのではないのか。
日本はそのことを想定して、対応策を執っているのであろうか。もし、全く執っていないとすれば、突然ムスリムが凶悪なテロ実行者になる、危険性があるという子とだ。そこでは時間と距離は、全く問題ないのだ。