昨日インターネットを見ていたら、イラクのバスラでは53度、クウエイトでも54度という、日本人には信じられないような気温が、伝えられていた。このなかで人間はどう暮らしていられるのだろうか、という大きな疑問が浮かんだ。
ちなみに、我が家の風呂の温度は、42度に設定されているが、それでも夏には熱いと感じる。もちろん、その風呂に入っていると、10分も経てば汗がどんどん流れてくる。
小学校だったか中学校の頃、イラクのバスラでは、世界で一番高い気温が記録されている。その気温は52度だったと教えられた記憶があるが、今回記録された気温は、それを上回っているということだ。
イラクのチグリス川やユーラテス川の、川岸近くならそれでも、我慢ができるだろうが、内陸部ではどうなのであろうか。イラクの南部バスラに近い地域には、湿原が広がり、そこには網の目のような川があるため、そこにさえ行けば、ある程度は暑さを凌げるだろう。
このイラクの南部地帯には、天井が20~30メートルぐらいある、葦などで出来た、大型の集会所もあり、そこに逃避することもできよう。葦で出来た家は、風が抜けるため、ある程度は内部の気温が、外部に比べて低くなろう。
クウエイトやアラブ首長国連邦などでは、地面側から風を取り入れ、天井に煙突のように、暑い風を抜く構造の家が、建てられていたし、壁は暑さをさけるために、30~40センチの厚さになっていた。もちろん、窓はできるだけ小さい方がいい、といいうことだ。
過去40年ぐらいで、こうした構造の家は全く無くなり、いまではコンクリート製の家で、クーラーが付いている。しかし、それは電気が切れない、という前提であり、クーラーが24時間稼動してくれる、という前提だ。
時折、イラクやシリア、エジプト、ヨルダンなどで停電があった、というニュースが流れてくる度に、大変だろうと思う。それ以外の国では、停電は当たり前のことであり、特別にニュースにする価値も無い、ということなのであろうか。
今年の夏は東京でも、節水が言われ始めている。水、電気は世界中、何処の人達にとっても必需品に、なっているということであり、電気に依存する人間は、極めて弱くなっている、ということではないだろうか。
中東やヨーロッパに、難を逃れた難民たちは、夏は暑く冬は寒いなかで、生活している。彼らには文明の利器のご利益は、届かないのだ。