私が毎日、朝一番にやる仕事は、その日の世界中のサイトから、中東に関するニュースを、コピーするのだが、今朝は最初の段階で、ショックを受けた。それは、『日本在住の10万人のムスリムが、警察の厳しい監視下にある。』という記事が載っていたからだ。
記事が掲載されたのはアルハヤートという名の、サウジアラビア系の新聞なんだのが、どうもネタ元は英字新聞のジャパン・タイムズ、7月13日版のようだ。そこでは大塚にある、モスクの世話役の一人ハ―ルーン氏が、ジャパン・タイムズのインタビューに応じて、話したことが書かれてあるようだ。
内容は在日のムスリムたちが、執拗な警察の監視下に置かれ、自宅が監視され、日本人妻たちは、あまりにも厳しい職務質問などを受けることから、不安になって離婚しているケースも、多々あるという内容のようだ。
ジャパン・タイムズが、このインタビュー記事を掲載したのは、人道的な判断からであり、ムスリムを擁護するためであろう。その意図は理解できないこともないが、この記事が在日ムスリムに与えるショックは、小さくないだろう。
そして、外国の金持ムスリムのなかから、『日本の警察と戦え』と言った激が飛ばされ、資金援助が始まる危険性もあろう。IS(ISIL)はいまだに、相当額の資金援助を金持のムスリムから、個人的に送られているのだ。それは日本でも起こりうる、ということだ。
在日ムスリムたちは、日本の警察の対応に、神経質になり、不安を抱き、自分たちはヨーロッパや、アメリカのムスリムたちと同じように、追い込まれている、と感じるだろう。加えて、逮捕、投獄され、その挙句には、国外追放されるのではないか、という不安も抱こう。
日本の警察や公安が、在日ムスリムの動向を調べていることは、私も知っているが、これはあくまでも、テロを未然に防ぐことに、重点が置かれているのであり、決してムスリムを追い込むためでも、追い出すためでもない。しかも、よく調査されていれば、危険ではない穏健なムスリムたちは、何の不安も無かろう。
こういうインタビューを受けると、ややもすれば、問題を大げさに話したがる、ムスリムがいる。彼らは自分たちが日本のなかで、不当な弾圧を受けている、といった発言をしたがるのだ。
それが拡大していき、在日ムスリムのなかから、IS(ISIL)に繋がろうとする者や、IS(ISIL)が唱えている『一匹狼』のテロ攻撃をする者も、出てくるかもしれない。フランスのニースでは『トラックの暴走によって、77人が犠牲になった。』というニュースが伝えられているし、そのすぐ後には、エッフェル塔が黒煙に覆われた、というニュースも伝わってきている。
世界がIS(ISIL)によるテロで、危険な状況に入っているなかで、日本は例外的に安全な状態にある。しかし、IS(ISIL)は日本も標的すると宣言している。そうなると、今回のような記事が掲載され、在日ムスリムを刺激すれば、その中から『一匹狼』が出てくる、危険性もあるというものだ。
薄っぺらな人道主義で、安易に記事を書いて欲しくないものだ。今回のような記事が書かれないほうが、結果的には、在日ムスリムの安全を、守ることにつながろうというものではないのか。