イランとアラブ湾岸諸国、なかでもサウジアラビアやバハレーンとの関係が、緊張の度を高めている。これはイランとサウジアラビア双方から発しられている渓谷からも推測することができよう。
最近では、イラン政府がバハレーンのシーア派要人たちが、政府のよって弾圧されていると非難し、その結果は、バハレーンの大衆が武器を持って、蜂起するだろうと警告した。
サウジアラビアに対してもスンニー派のテロリストたちを支援し、イラクやシリアだけではなくイランに対しても破壊行動を始めたと非難している。そのような非難声明が継続して出されるということは、イランもサウジアラビアと同様に反撃するということであろう。
イラン政府がつい最近発表したところによれば、3000人程度の戦闘員からなる、バキーウ組織なる戦闘集団を結成し、この組織がアラブ湾岸諸国で活動を始めるということのようだ。この組織はイラン人で構成されているのではなく、近隣のアラブ諸国から、戦闘員集められているようだ。
構成員はイラク人、バハレーン人、クウエイト人、サウジアラビア人などで、いずれもイランが出身国の体制に対して不満を抱いている国であることがわかろう。何やら多数の国から戦闘員を集めるという方式は、IS(ISIL)の手口に似ているような気がするのだがいかがなものであろうか。
戦闘員はイラク国内で訓練され、その訓練基地は中心がイラクのミサーンにあり、それ以外にもアマーラ、クート、カルバラ、ナジャフデヤーリ、バスラなど各地にあるようだ。彼らはそこに分散しており、一旦作戦が始まれば集結するということだ。
彼らはパスポートではなく、特別の通過証(レセパセのようなものか)を配布され、イラクにあるカルバラなどの、シーア派の聖地訪問を口実に、イラクのバグダッド空港やナジャフ空港に降り立つと、そこでは迎えがあり、特定のホテルに宿泊させられるということだ。
このことからわかることはイラク政府が一枚かんでいるという可能性だ。そうでなければこれだけ大規模で派手な動きは出来まい。イラクのアバデイ首相は前任のマリキ―首相よりもイランとの距離があいていると思われるのだが、この作戦については別なのであろう。
何故ならば、イラク政府が手を焼いている、IS(ISIL)のスポンサーは、サウジアラビアを始めとした、アラブ湾岸諸国政府や、これらの国々の金持たちなのだから。そうしたことがイラクもこの作戦に、取り込めたのであろう。