イランの最高指導者アリー・ハメネイ師が、バハレーン国内状況について、厳しい意見を述べた。なかでも、最近、バハレーン政府が取った、カースム師に対する強硬措置が、ハメネイ師を激怒させたようだ。
ハメネイ師はこのようなことでは、バハレーンの住民の我慢も限界に達し、しかるべき危険な動きが始まる、と警告している。ただこの警告は、バハレーン政府に対するものであると同時に、サウジアラビア政府に対するものであることを、忘れてはなるまい。
ハメネイ師はバハレーンの精神的指導者である、カースム師に対する処遇(バハレーン市民権剥奪)について、バハレーンの若者を激怒させるものである、と語り、若者の怒りは頂点に達したとも語った。
他方、バハレーン政府の内務省は、『カースム師はバハレーン国内で派閥主義を煽り、彼は外国(イラン)と深い関係にある人物だ。彼は外国のために活動している。』と非難している。
しかし、バハレーンの住民の大半はシーア派であり、首長と政府はスンニー派に所属している。このために起こっている、政府のシーア派に対する締め付けと、表現の自由の阻止は、国際的にも大きな問題となっているのだ。
ハメネイ師の今回の発言が、実はバハレーンよりもサウジアラビアに、向けられたものであるということは、彼の発言のなかに、サウジアラビアを非難する部分が含まれているからだ。
ハメネイ師の語るところによれば、IS(ISIL)はサウジアラビアなどが創り出したものであり、この組織がイラン国内で破壊活動を試み、失敗しているとも語っているのだ。
ハメネイ師はこうした、反イランの立場を採る国々に対して、最終的にはイランが打倒し、足にキスをさせるとも語った。イランではテヘランを中心に、IS(ISIL)側であろうと思われるテロリストが、時限爆弾や特攻攻撃で、テロを試み失敗しているのだ。
イランのハメネイ師が激怒した結果、イランはバハレーンに、大量の武器を送ることになろう。そうなればバハレーン国内は内戦状態となること必定だ。それに対して、サウジアラビアは以前にも実行したように、サウジアラビア軍をバハレーンに送り込もう。
今度はイランも、サウジアラビア軍のバハレーン侵攻を理由に、バハレーンに革命防衛隊を、送り込む可能性があるのではないか。それは直接間接、イランとサウジアラビアが戦闘を開始する、ということだ。それが何処まで拡大するかは、アッラーのみの知るところであろう。