IS(ISIL)の頭目バグダーデイが重傷を負った、という話は大分前に出てきた。もちろん、述べるまでもなくその有効な攻撃を行ったのは、精強なアメリカ軍ということになるA。 今回も、バグダーデイの重傷説が流れた後、彼は死亡したようだ、という情報が流れている。
ところが、そのバグダーデイ死亡説はどうも信用が置けない感じがする。なぜならば、3つの死亡情報は以下のようなものだからだ。
:バグダーデイはシリア北部の街、IS(ISIL)の首都ラッカ市に対する、アメリカ軍の空爆で死亡した。
:バグダーデイはイラク北部の都市モースルで死亡した。
:バグダーデイはイラクのカルバラ市で開催される、IS(ISIL)幹部会議に出席するため、移動中に攻撃されて死亡した。
死亡現場はシリアのラッカ市と、イラクのモースル市、そして、イラクのカルバラ市への路上だ。こんな情報は情報ではなく、噂かでまかせでしかあるまい。
大分前に、ラッカ市からIS(ISIL)の幹部が、イラクのモースル市や、リビアのシルテ市に移動した、という情報があった。何故バグダーデイが、いまにも陥落しそうな、ラッカ市に居残る必要があるのか、腑に落ちない。
モースル市もしかりだ。ここもだいぶ危険になってきている、と以前から言われていた街だ。そこにラッカ市から移動して、バグダーデイは潜伏していたのであろうか。
カルバラ市で開催されるIS(ISIL)の幹部会議などあるわけがない。このカルバラ市はイスラム教シーア派の聖地であり、そこでスンニー派(?)と称しているIS(ISIL)が、幹部会議を開くはずはない。
危険極まりない敵の陣地で、IS(ISIL)は何故、幹部会議を開かなければならないのか、実にばかげているとしか言いようがない。
これまでビンラーデンの死亡にしろ、サダム・フセインの死亡にしろ、彼らの死亡情報には、多くの疑問が投げかけられている。バグダーデイの場合にも、疑問が沸くのは当然なのであろう。死亡説が出てきているということは、彼の役割が終わった、ということであろうか。