ロシア軍がシリアに入って以来、戦況は大幅に変化していることは、誰もが認めるところであろう。その結果、アメリカに対する信頼は薄れ、親米諸国ですら、疑惑の眼差しでアメリカを、見るようになっている。
この変化に、さすがのアメリカも、現実を重視する必要が、出てきたため、アメリカもロシアと同じように、IS(ISIL)に対する空爆を、真剣に行うようになっている、と報じられてきた。
しかし、未だにアメリカのIS(ISIL)攻撃は、本格的なものではなく、形式的なものに留まっている、と判断している専門家は少なくない。つまり、アメリカにとっては、IS(ISIL)の存在価値がまだある、ということであろう。以前、アメリカ軍幹部は、シリアのアサド体制を打倒するためには、IS(ISIL)でも活用する、という発言をしているが、それは間接的に、アメリカとIS(ISIL)が協力し合っている、ということを認めたということだ。
ここに来て、一時期は控えていたロシア軍による、IS(ISIL)に対する攻撃が、再度活発化してきた。ロシア機がラッカの石油関連施設を、空爆し始めている。その結果、IS(ISIL)の石油から得る収入は、これまでにも増して、大幅に落ち込むことになろう。
このため、IS(ISIL)は最近になって、女性奴隷の人身売買を、インターネットやツイッターを通じて、派手に宣伝し始めているし、支配地域の住民に対する税も、引き上げたと伝えられている。
IS(ISIL)の石油の購入者は相変わらず、エルドアン大統領の子息ビラ-ルのようだ。長蛇のタンクローリーの列が、IS)(ISIL)の石油施設と、トルコ国境とを繋いでいる、ロシアは無人機から撮影した写真を、最近になって再度公表している。
ロシアの空爆攻撃の一方では、ロシア機のカバーを受けて、シリア軍がラッカに迫っているが、ここ1週間ほどでは、ラッカに到着しないだろう、と見られている。しかし、シリア軍はラッカに近い、タブカを陥落しようと、攻撃を続けている。この街はIS(ISIL)の武器集積地だということなので、軍事的に大きな意味があろう。
大規模な軍事攻撃が、ほぼ不可能になっているIS(ISIL)は、市民に対する攻撃、斬首、女性の売買、などを行っているが、その事に関しては、イスラム教スンニー派ではない、シーア派やヤズデイ、そしてクリスチャンを対称にする場合が、多いようだ。
どうIS(SISIL)が言い訳しようとも、IS(SIL)のイラク・シリアでの立場は、弱体化しており、IS(ISIL)終焉の時は近い、と考えるべきではないか。IS(ISIL)の移動先といわれる、リビアでもアフガニスタンでも、大躍進のニュースは伝わってきていない。後は新天地アフリカを狙うだけであろうか。欧米での活動は、宣伝だけではないのか。