リビアのシルテ市では、激戦が続いている。このシルテ市はIS(ISIL)にとって、極めて重要な街だ。それは石油の積出港に近いことや、リビア東西の丁度中間に位置していることなどに、よるものであろう。
IS(ISIL)側にとって重要だということは、述べるまでもなく、リビア側にとっても重要だ、ということであり、このシルテ市をIS(ISIL)に抑えられていたのでは、リビアの東西の軍事力が、分断されてしまうことになる。
このため、リビア側のリビア統一政府寄りの、ミスラタ市の戦闘集団が中心となって、シルテ攻撃が開始された。既に、相当数の犠牲者が出ているが、ミスラタのミリシアは、一歩も引いていないようだ。
リビア統一政府側は海からの攻撃も、IS(ISIL)に対して加えており、ほぼ完全に包囲した状態にまで、IS(ISIL)を追い込んでいる。従って、IS(ISIL)の戦闘員たちは、他の場所に逃げたくても、逃げられない状態に、追い込まれているのだ。
ミスラタの戦闘員たちは、シルテのテレビ局やラジオ局を、奪還したばかりではなく、電力会社やビン・ハメル・モスクも奪還している。
こうしたリビア側の攻勢に対して、IS(ISIL)が今後、どう反撃していくのかが疑問だ。完全に包囲されたということは、彼らが武器や食料、医薬品などを、補給できなくなってきている、ということでもあろう。
リビアに入ったIS(ISIL)は、海岸部から次第に南下し、石油地帯を占領し、次いでアフリカに進出していくのではないか、と予想していたが、それも難しくなってきているのではないか。
その時に、欧米はどのようなリビアへの介入の、仕方をするのか興味深い。