『ハフタル将軍統一政府とは一緒に行動しない』

2016年5月21日

 

 リビアがカダフィ時代に、チャドに軍事侵攻したときの、司令官がハフタルだった。彼はその後、アメリカに渡りCIAの庇護の下で20年間暮らし、リビア革命が始まると、ベンガジに戻った。

 以来、彼は分裂した東リビア政府のなかで、軍のトップの座に就いている。東リビア政府は国際的に承認された、正式なものであったが、その後も、リビアの分裂と対立が続いたために、欧米は新にリビア統一政府なるものを結成させ、セラジュをトリポリに送り込んだ。

 しかし、セラジュはその後、リビアの各派を纏めることが出来ず、今日に至っている。そうした混沌のなかで、大きな影響力を持つのは、東リビア政府のハフタルだが、彼は最近以下のような発言を行っている。

 彼の発言を紹介する前に、まず記さなければならないのは、カダフィの故郷シルテに、IS(ISIL)が陣取っているが、これに対しリビアの東西政府は、軍を派兵し、IS(ISIL)に対抗しているという点だ。

従って、リビア統一政府のセラジュの意向に関係なく、IS(ISIL)に対抗することについては、リビア人が一体となっているということだ。

 ハフタルは『我々はセラジュとは関係がないし、東リビア議会もセラジの言うリビア統一政府を、承認していない。』

そして『セラジュはミリシアに依存しているが、そのミリシアを我々は認めていない。ミリシアには意見を統一することは出来ない。』とも語った。

またハフタルは『IS(ISIL)はリビア軍に勝利することはできないが、戦闘はまだ続くだろう。』と冷静に現在の状況を分析している。

そしてハフタルは最後に、以下の言葉でインタビューを、締めくくっている。『国際組織が我々に対して、武器禁輸を解いてくれれば、IS(ISIL)を短期間で打倒することが出来よう。』 

 つまり、大国は自国の都合で、次々と手を変え品を変えて、リビアに対応しているということだ。そのため、リビアの安定には時間がかかり、しかも、状況をより悪化させている、ということなのであろう。