『ロンドン市長にサデク・ハーン当選』

2016年5月 7日

 

 今日の驚くべきニュースは、何と言ってもイギリスの、ロンドン市長選挙の結果であろう。失礼な言い方が許されるならば、このサデク・ハーンなる人物は、元イギリス植民地の出自なのだ。

 彼はパキスタンから移住した、バス運転手の子供として生まれ、イギリスで育ったということだ。

 問題は、何故彼がイギリスの首都、ロンドン市長になれたかということだ。述べるまでもなく、彼の政治手腕が優れていたことに、よるのだろうが、これは何か、誇り高いイギリス人の自信が、萎縮し始めているのではないか、と感じられる。

 イギリスは国際政治のなかで、未だにしかるべき地位を占めてはいるが、これまでアメリカを梃子にして、世界を動かしてきたイギリスが、最近では逆にアメリカの道具の一つに、成り下がっているのではないか。

 メイド・イン・イングランドと言っても、最近では高度な技術を駆使した、製品という話は、とんと聞かない。せいぜい繊維製品や小物であろうか。イギリスが未だに、一定の国際的影響力を、持つことが出来ているのは、イギリスが考案した、国際ルールやシステムによるのではないか。

 今回、サデク・ハーン氏がロンドン市長に当選したことは、影響を元イギリス植民地の国々の若者たちに、大きな与えよう。つまり『自分もイギリスでしかるべき、政治的地位が得られる。』と考える若者たちが増えるということだ。

 そのことは元植民地の出身者の子供たちが、イギリスのなかで猛烈に勉強し、高い地位にチャレンジしていくのではないか。その時、ネイティブのイギリスの若者たちは、どうであろうか。

 多分、移住者の23世には、勝てなくなっていくのではないか。元植民地の人間は、ご主人様であるイギリス人やフランス人に対して、自分の保身のために、雄弁を学んでいる。彼らが話し出すと、白も黒になるのだ。

 以前ロンドンの市場で、魚売りをアルバイトにする、パキスタン青年が一躍有名になり、ミリオネアニなったという話があった。それは、たちまちネット上で、世界中に広まったのだ。 

 何のことは無い、魚売りを歌にして謳ったところ、飛ぶように売れまくった、そして、それにはダンスが付き、テレビでは一大ブームを、巻き起こしたのだ。彼らにはそうした、パフォーマンスの才能もあるのだ。

 これからの先進諸国会議で、どれだけサデク・ハーン市長が弁舌を振るうのか、いまから楽しみだ。多分、彼は長時間の演説を、平気でこなすだろうし、彼なりのロジックをフル活用しよう。それに何処まで先進諸国のリーダーたちは、対応できるのか。

 アメリカでは黒人の、イスラム教徒だった父親の子供、バラク・オバマ・フセインが大統領に、就任している。そして、今度はパキスタン人の移民の子、サデク・ハーンが、ロンドン市長に就任した。将来、彼がイギリスの首相になる可能性も、否定出来まい。

 まさに世界はいま、大変革を起こしている、ということであろう。ただ、ダイアナ妃のボーイ・フレンドだった、エジプト人のドデイは暗殺されているし、ダイアナ妃も交通事故で、死亡していることを、サデク・ハーン市長は忘れるべきではあるまい。