『トルコのMHP党が新党首選び』

2016年5月17日

 

 トルコに古くからある保守派の政党に、MHPというものがある。この政党は宗教尊重であり、愛国精神にあふれていることから、トルコの国民の一部から、強い支持を集めてきている。

 MHPは現在CHPに次いで、野党第二の勢力を誇っている。党首はバフチェリ氏だが、彼は与党AKPのエルドアン大統領と、裏取引をしている、という噂が以前からあった。

 たとえばMHPに所属してはいないが、バフチェリ氏の子息が、閣内に入るという話もあったが、その後どうなっているかは知らない。つまり、そのレベルまでバフチェリ氏は、エルドアン大統領と近い位置に、いるということだ。

 確かにそうであろう。MHPAKPはともに、宗教を重視し愛国精神に満ちた党であることから、共通点は幾らでもあるということだ。

 しかし、そうしたMHPのエルドアン大統領寄りの姿勢では、MHPはやがて、存在価値が薄くなってしまい、AKPに吸収されてしまうという懸念が、党員の間で広まっている。

このためMHPの新党首を選出する、党大会が計画された。しかし、エルドアン大統領は開催場のホテルに圧力をかけ、大会開催を中止に追い込んだ。

 現在、MHPの新党首候補者は4人おり、その中の2人が有力視されている。一人はシナン・オワン氏男性であり、もう1人はメラル・アクジュネル女史だ。党員の間の人気メラル女史の方が高く、一般のトルコ国民の間にも、支持者がいるということだ。

 ただ、このメラル女史はギュレン運動の、メンバーだとも言われており、そうなると、厳しい状況に追い込まれるかも知れない。もし、彼女がMHPの新党首になるような、状況になってくれば、エルドアン大統領は彼女を、逮捕するかも知れないのだ

 今のトルコではエルドアン大統領の、独裁色が強くなっており、彼が最大の敵だと思っている、ギュレン運動にかかわる多くの企業が、弾圧を受け倒産させられたり、国による企業の没収が、行われている。

 メラル女史がギュレン運動の、メンバーだということになれば、多くのジャーナリストが、大統領侮辱罪などで逮捕、投獄されたように、彼女も逮捕され、投獄される可能性もあるのだ。

 いまのところ、MHPのスポークスマンはメラル女史が、ギュレン運動のメンバーであるか否かについては。分からないと明確なコメントを避けている