『ISとボコハラムの連携を国連・米は懸念』

2016年5月16日

 

 国連の安保理はとアメリカは、IS(ISIL)とボコハラムが連携して、アフリカでの作戦活動を、拡大していくのではないか、ということを懸念し始めている。IS(ISIL)については説明の必要がなかろう。

 しかし、日本人の間では一部の人たちを除いて、ボコハラムについて知られていない。このボコハラムという組織は、ナイジェリアを基点として、中央北部アフリカ諸国で活動する、イスラム原理主義組織だ。

 ボコハラム組織が世界的に、知られるようになったのは、2014年の414日に、女子高生276人を人質にする事件が、起こったときからだ。その後、何十人かの女子学生は、逃亡に成功しているが、未だに残りの219人の行方については、明らかになっていない。

 さて、この危険なイスラム原理組織ボコハラムと、もう一つの危険な組織IS(ISIL)とが、連携する動きが見え始めた。そのことは、これからチャド、ナイジェリア、ニジェール、ベニン、カメルーンなどで明らかになって行こう。

 こうした動きになるのではないか、ということは大分前にも、このブログで書いた記憶がある。それは、IS(ISIL)がリビアに入っていったのは、リビアがターゲットであることは間違いないが、それだけではなく今後、北アフリア諸国や中央アフリカ諸国にも、展開していくだろう、と思ったからだ。

 それは述べるまでも無く、これらの国々の資源を狙ったものであり、それはIS(ISIL)の目的ではなかろう。IS(ISIL)はあくまでも、大国がアフリカに進出していくための、正当な理由を作っているに、過ぎないのではないのか。、これはマッチ・ポンプではないのか。

 アフリカは未だに、欧米による開発が、進んでいない地域であり、多くの地下資源が眠っている地域なのだ。地上の資源開発ももちろん可能だ、広大な土地は、農業開発に最適なのだ。

 以前から書いてきたように、IS(ISIL)のイラク、シリアでの役割は終わり、IS(ISIL)はリビアと、アフガニスタンに向かった。リビアは石油が目的であり、アフガニスタンは麻薬だ。リビアの石油は兵器の材料に向く、良質なカーボン繊維製造に最適だ。麻薬はヨーロッパ社会に、大きなダメージを、与えることになる懸念がある。

 そして、IS(ISIL)のイラクシリアからの移動には、トルコが相当のダメージを、蒙ることになろう。場合によっては、体制が崩壊するかもしれない。そして、サウジアラビアを始めとした、アラブ湾岸諸国も危険に、向かうのではないか。

 いま世界は大変革期にある。そのなかでは、相当の被害が、各地で生まれる、ということではないのか。