5月16日の日曜日、カイロの気温は48度を、記録したようだ。確かにカイロも夏には暑くなるのだが、この気温は尋常ではない。そのために、いろいろな障害が、起こっているのではないか。
たとえば、果物の受ける被害は軽いとしても、野菜類はあっという間に萎れてしまうだろう。こうなると、店頭に並ぶ野菜が、商品にならなくなるのは、どこの国も同じだ。加えて、企業や官庁の仕事が滞ろう。暑くてとてもではないが、書類を持ってあちこちに行くのは、大変になろう。
そうしたなかで、アレッと思うニュースが伝えられた。それは『極暑につき、電車のスピードを落とす。』という公告だった。何故だろうと考えてみたのだが、多分、日本では鉄道関係者には、答えがすぐ分かろう。
それは、暑さのために線路が曲がり、脱線事故の危険が、あるからなのであろう。加えて、高速で走った場合、線路は車輪との摩擦で、ますます高熱になるということであり、結果は線路が歪曲してしまうということだ。
今回の交通省の決定では、一部地域は最高速度が毎時80キロから、50キロに落とし、他の地域では最高速度を60キロに、落とすという決定だ。確かに、一日に電車を利用するエジプト人の数は、350万人を超えるのだから、こうした安全対策は、絶対に必要であろう。
カイロで48度にも達するということは、南部のアスワンやルクソールといった、観光地の気温は50度を、はるかに超えるだろう。そうなると、観光目的で遺跡のなかを歩くのは、自殺行為ということになるのではないか。
エジプトが今年の夏、観光で人を集められるのは、シナイ半島のシャルム・エルシェイクや、紅海沿岸のリゾートのハルガダ、そして、アレキサンドリアを始めとする、地中海沿岸の北アフリカ海岸線だけであろうか。
この異常気象の極暑は、テロの頻発でエジプトの観光収入が、激減している状態にあって、ますます悪い影響を与える、ということになるのではないか。