今日は幾つもの重要なニュースが流れているので、簡単にそれらの最も重要と思われるものを、お伝えする。
:ロシアが兵器をイランで生産
ロシアとイランは何種類かの、最新の兵器を、イランで製造することに合意した。例えばT-90戦車がそれであり、Mi-8/17戦闘ヘリ、スホイSu-30SMもそうだ。ロシアは既にS-300ミサイルをイラン側に送り、イランは既に配備している。
こうなると、イランの兵器体系はロシア型になり、その兵器面での協力関係は、長期に渡ることが予測される。両国関係は現在よりも、強固なものになり、アメリカは立ち遅れることになろう。それはアメリカにとっては、大きな失点であろう。
:シリア軍アレッポ病院空爆否定
シリアのアレッポにあるコドス病院が空爆され、少なくとも27人以上(死者数は38人という報告もある)の犠牲者が、出ていると伝えられている。シリアの反政府側はこれを、シリア軍の空爆によるものだ、と非難しているが、シリア軍はそれを、ただちに否定した。
常識で考えて、誤爆はあるとしても意図的に、シリア軍が病院を攻撃することは無かろう。反政府側のいずれかのグループがやったのだ、と判断する方が、正しいのではないか。この攻撃については、まだ国連や欧米諸国といった、第三者からの判断は、出ていない。
:トルイコ外相エジプト大統領を誹謗
トルコのチャウソール外相は、エジプトのシーシ大統領体制は虚弱だ、と批判した。もちろんこれに対して、エジプト側から反発されている。エジプトの外相は『自分の国の政治のありようを考えろ。』と反論した。
トルコ外相に言わせれば、シーシ大統領の指導の下に、エジプトは混乱に陥っており、虚弱な状態にあるというのだが、トルコ側のエジプトを誹謗する発言は、エジプトで軍がクーデターを起こし、トルコ政権と親しい、ムスリム同胞団のモルシー政権を、打倒した時点から続いている。
トルコ側は感情的な問題が、絡んでいるものと思われる。トルコは以来、エジプトのシーシ政権に激怒しているのだ。しかし、ここまでトルコがエジプトを非難して何のメリットがあるのか、と言いたいところだ。多分、チャウソール外相のエルドアン大統領に対する、ゴマスリ発言であろう。
:米国防長官クルド各派の関係を認める
アメリカのカーター国防長官は、シリア・クルドのPYDやYPGが、トルコのテロ組織PKKと、関係があることを認めた。これまで、トルコはPYDやYPGが、テロリスト組織であるPKKと、関係があることを、何度も指摘していたが、アメリカはそれを、認めようとはしなかった
それはPYDやYPGが、アメリカにとって反シリア体制の戦闘に、利用できると思ったからであろう。アメリカのカーター国防長官は、シリア国内にあるクルド組織は、対IS(ISIL)戦闘で有効だ、と判断しているからだ。
つまり、このカーター国防長官の発言が出たことは、シリア情勢に大きな変化が生まれてきている、ということであろう。例えば、IS(ISIL)の弱体化とか。
:ロシアがトルコケバブを全面禁止に
ロシア政府は衛生面に問題があるとして、ロシアに進出している、トルコ・ケバブの店を全面禁止にした。オーナーたちはこれに反発しているが、ロシア政府の言う、衛生基準にあわせるためには、相当の投資が必要になり、解決は困難なようだ。
しかし、トルコのドネル・ケバブ(シャワールマ・ケバブとも呼ばれる)はロシア人の間で評判がいいことから、今後、ロシア人の援軍が出てくるかもしれない。この問題は衛生面というよりも、ロシア政府のトルコに対する嫌がらせの方が、強いのではないかと思われる。
:トルコのコンヤでハラール観光国際会議
トルコのコンヤ市で、5月3日から5日まで、国際ハラール観光会議が開催される。この会議には、ダウトール首相が出席予定になっている。
会議には、サウジアラビアを始め、アラブ首長国連邦、イラン、南アフリカ、クウエイト、カタール。マレーシア、インドネシアなどが、参加する予定になっている。南アフリカの参加は、意外と思えるかも知れないが、南アフリカにはイギリスが連れて行った、多数のインド人(ムスリム)が居住しているのだ。
最近では、ムスリムの外国旅行が激増しており、各国にとって重要なビジネスになっている、ということだ。このスリムの観光客に対するサービスを向上させ、より一層の観光客を呼び込もう、という作戦であろう。